2014.03.11

【女子ワールドカップ展望(4)】2012年世界女王2選手を中心に挑む米国

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(3月15~16日、東京都板橋区・小豆沢体育館)


 《試合日程》(組み合わせは14日の監督会議で決定)

3月15日(土) 午前10時~12時 各ブロック予選1回戦
午後2時30分~3時 開会式
午後3時~5時 各ブロック予選2回戦
午後5時~7時 各ブロック予選3回戦
3月16日(日) 午前10時~11時 7・8位決定戦
午前11時~12時 5・6位決定戦
午後2時~3時 3位決定戦
午後3時~4時 決  勝
午後4時~4時30分 表彰式

 【米国】

 《米国代表選手》
48kg級: Alyssa Lampe(1988・10・03/2013年世界選手権48kg3位)
  同  : Victoria Anthony(1991・06・24/2013年世界選手権51kg5位)
53kg級: Helen Maroulis(1991・09・19/2013年世界選手権55kg7位)
55kg級: Kelsey Campbell(1985・06・05/2012年ロンドン・オリンピック代表)
58kg級: Alli Ragan(1992・06・16/2013年世界選手権59kg9位)
60kg級: Jennifer Page(1993・03・14/2013年世界ジュニア選手権63kg3位)
63kg級: Elena Pirozhkova(1986・10・13/2013年世界選手権63kg3位)
69kg級: Veronica Carlson(1990・10・12/2013年世界選手権67kg代表)
75kg級: Adeline Gray(1991・01・15/2013年世界選手権72kg3位)
69kg or 75kg級: Randi Miller(1983・11・03/2014年デーブ・シュルツ国際大会69kg優勝)

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昨年の世界選手権代表7人がエントリーするというベストメンバーでの参加(ただし48kg級と51kg級の代表の2選手がともに48kg級にエントリー)。

 チームを引っ張るのは、63kg級に出場する2012年世界選手権63kg級優勝で昨年も世界3位のイェレナ・ピロズコバと、75kg級に出場する2012年世界選手権67kg級優勝のアデライン・グレイになるだろう

 ピロズコバは世界選手権のあと67kg級と69kg級で闘い、ゴールデンGP決勝大会67kg級優勝などの成績を残している。本来の63kg級ではこれまで以上の実力となっていることが予想される。グレイは昨年の世界選手権72kg級3位で、今月のクリッパン女子国際大会(スウェーデン)は75kg級に出場して3位。新階級の試運転も終えている。

 53kg級には、2012年世界選手権2位のヘレン・マロウリスがエントリー。1月のデーブ・シュルツ国際大会(米国)の53kg級で勝ち、2月のグランマ・カップ(キューバ)では55kg級で優勝。やはりチームを支えそうだ。55kg級にはロンドン・オリンピック代表のケルシー・キャンベルが出場する。

 58kg級のアリ・ラガン(世界選手権59kg級代表)、69kg級のベロニカ・カールソン(同67kg級代表)がどこまで力を出すか。復帰した北京五輪63kg級のランディー・ミラーは、1月のデーブ・シュルツ国際大会69kg級で優勝し、今月のクリッパン国際大会同級2位。重量級を支えそうだ。

 なお、今大会にはコーチとして51・56・59kg級で世界選手権に4度優勝した山本聖子が参加する。


 

 【米国の女子レスリング】

 富山英明・日大監督のライバルで世界選手権銀メダルのジョー・コーソらの指導で、1980年代から女子に取り組み、世界選手権へは1989年の第2回大会から参加。1992年世界選手権50kg級でパトリシア・サンダースが同国初の世界チャンピオンに輝いた。

 サンダースはその後1996・98・99年に世界一に輝き、99年大会の国別対抗得点では、日本を1点差で押さえて初優勝を飾った。

 その後、2000年世界選手権68kg級にクリスティ・マラノが優勝。2003年世界選手権67kg級でもマラノが優勝したほか、銀4、銅2の全階級でメダルを獲得し、国別対抗得点で2位。1ヶ月後に東京で行われたワールドカップでは、日本を押さえて優勝。日本の3連覇を阻んだ。

 2004年アテネ・オリンピックでは、63kg級のサラ・マクマンが銀メダル、48kg級のパトリシア・ミランダが銅メダルを取り、金2個の日本に次ぐ成績を残した。

 その後も2005年世界選手権72kg級でアイリス・スミスが優勝するなど、コンスタントにメダル争いにからみ、2008年ワールドカップでは、55kg級のマルシー・バンデュセンが吉田沙保里の連勝記録をストップする歴史的勝利を挙げた。

 同年北京オリンピックでは63kg級のランディ・ミラーが銅メダルを取り、同年の世界女子選手権では48kg級でクラリッサ・チャンが優勝。チャンは2012年ロンドン・オリンピックで銅メダルを取り、同国のオリンピックのメダル獲得を続けた。

 2012年世界女子選手権では2階級で優勝、昨年の世界選手権では銅3個で国別対抗得点3位と、世界の強国の地位を築いている。

 《ワールドカップの成績》
2001年 4位
2003年 優勝
2004年 5位
2005年 5位
2006年 3位
2007年 5位
2008年 3位
2009年 5位
2010年 2位
2011年 2位
2012年 7位
2013年 4位