※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
銅メダル獲得の小原康司さんと妻・日登美さん
「ホッとしました。」と第一声。2年前のこの大会は2位。昨年は夫婦でイベント出演などに忙殺されて出場しておらず、今回は2年前のリベンジ戦。優勝が目標だった。全日本選手権に出場する選手が相手には荷が重かったが、それでも豪快な3点タックル(旧ルールで実施)を決めるなど意地を見せた。
「最初は試合時間も2分3ピリオドだと聞いていまして、そのつもりで練習してきました」とのこと。2分までは何とか動けたが、その後の1分間は体が動かなかったようだ。それでも「楽しかった。(前日の)団体戦でも3位に入れたし、(レスリング班の)OBでレスリングを盛り上げていきたい」と満足そう。
【上】闘う康司さんと、応援する日登美さんとおいの豪太君。【下】江藤選手に豪快なタックルを決めた康司さん。向こう側では日登美さんが大喜び
この大会に女子の試合は実施されていないが、全日本マスターズ選手権でも女子が実施され、初心者が出る時代なのだから、屈強な女子隊員を中心とした女子の部があってもおかしくはない。その場合は「夫婦で出場、夫婦で金メダル」が目標となろうが、「いや、妻のサポートはもういいです」-。ロンドンで完全燃焼したことを強調した。
日登美さんは「楽しかった。全日本選手権とかなら笑顔で応援することはできませんが、ほのぼのとした雰囲気の中での試合はいいですね」と言う。「ロンドンで受けたサポートを、返せましたか?」という問いに、「まだ返し切っていません。来年以降も出てもらいます」。ロンドンでもらったエネルギーを返し終わるまで、康司さんは“現役選手”を続けなければなるまい。