2014.02.21

140選手が参加しNTS中央研修会…栄和人・強化委員長が始動

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

全日本チーム、学生選抜選手、高校選抜選手によるNTS(ナショナル・トレーニング・システム)中央研修会が2月20日、約140選手が参加して東京・味の素トレーニングセンターでスタート。先月の日本協会理事会で新任が決まった栄和人・新強化委員長も顔を見せ、練習前には男女の強化委員を集めてミーティングを実施。“栄体制”が始動した。

 栄強化委員長は全日本選手と若手選手に対し、「(私を)女子のコーチと思っている選手もいると思うが、大学(東農大)で男子選手の指導をやり、チームをリーグ戦の一部リーグに昇格させたこともあります(1996年大会の入れ替え戦で拓大を破る)」と自己紹介。再び男子の指導に携わることになり、「女子がアテネ・オリンピックで採用されることが決まった時以上の緊張感がある。男子の強化委員と連携をとり、リオデジャネイロ、さらに東京オリンピックへ向けて頑張りたい」とあいさつした。

 挙手で高校に入ってからレスリングを始めた選手の割合を調べると、半数近くが該当。キッズ・レスリング全盛で、「キッズからレスリングに取り組まなければ遅い」という声が必ずしも正しくないことが分かった。

 栄委員長は「私たちの時代は高校に入ってからレスリングを始めた選手ばかり。福田富昭会長も、高田裕司専務理事(山梨学院大教)も、富山英明常務理事(日大監督)も、究極の練習を積み上げ、短い期間で世界王者やオリンピック王者に輝いた」と説明し、高校に入ってからの競技開始選手を激励する一方、「キッズからやっている選手は、すばらしい技を持っている」と、こちらの選手のアドバンテージも強調した。

「切磋琢磨し、上を目指してほしい。どちらであっても、オリンピック・チャンピオンへの思いがなければ、チャンピオンへはなれない。思いが強ければ強いほど、可能性が高くなってくる」と話した。

 男子グレコローマンの西口茂樹強化委員長(拓大教)は「東京オリンピックが近づけば、もっとすごいプレシャーに襲われる。強い意志が必要」と、精神面の強化を訴え、練習では、3週間近くにわたるイラン合宿で学んだ練習方法や技術を、さっそく選手に伝えた。

 高体連専門部の大澤友博強化委員長(茨城・霞ヶ浦高教)は、ソチ冬季オリンピックのスノーボードの女子パラレル大回転で 銀メダルを取った竹内智香選手が、脚光を浴びることのない中で苦労を重ね、30歳にして栄光をつかんだことを引き合いに出し、「努力して結果を出してほしい」と望んだ。

 合宿には、全日本コーチのほか、全日本学生連盟の吉本収強化委員長(神奈川大監督)、日本協会のジュニア担当の原喜彦コーチ(新潟・新潟県央工高教)をはじめ各地区の強化責任者らが参加し、指導にあたった。

 合宿は23日まで行われる。なお、この研修会はスポーツ振興くじ(toto)の助成を受けて実施されている。

■スポーツ振興くじ(toto)について
http://www.jpnsport.go.jp/sinko/josei/tabid/61/Default.aspx


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