※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
米国遠征に出発した全日本学生選抜チーム
学生王者や大学王者を中心にした学生恒例の遠征。吉本収監督(神奈川大監督)にとっては3度目の学生選抜同行だが、昨年、全日本学生連盟の強化委員長に就任してからは初の遠征となる。「世界学生選手権(7月、ハンガリー)につながる遠征にしたい。各スタイル最低2個のメダルで、合計4個は持って帰りたい。金4個と言いたいが、とりあえずメダル4個が最低ライン」と目標を掲げた。
新階級・新ルールでの試合になるが、「若い選手だけに順応してくれると思う。ただ、(コロラドスプリングズは)高地にあるので、脚がふだん通りに動いてくれない。試合前は気がつかなくとも、試合になるとそれが分かり、1試合目はとにかくきつい。ここを乗り切ってくれれば、結果は出ると思う」と話し、まず初戦突破を注文した。
グレコローマンの米平安寛主将(98kg級=日体大)は「去年の8月に日体大の選抜チームでポーランドへ遠征しましたが、学生の選抜チームに選ばれたのは初めて。ちょっと緊張しています。結果を出せるよう精いっぱい頑張りたい」と重責に緊張気味。
ポーランドでの練習は米国の選手に「ボコボコにされた」とのこと。「グレコローマンはヨーロッパというイメージもあるが、アメリカも強い。技などを吸収して帰りたい」と気合を入れた。
フリースタイルの北村公平主将(74kg級=早大)は「2年前の大会に参加させてもらったが、1試合も勝てなかった(2戦2敗)。今度は勝ちにこだわった遠征にしたい」と言う。前回の大会のあと、2012年世界学生選手権で銀メダル、昨年のアジア選手権で銅メダルを取り、世界での実績は参加する選手の中で一番だが、「国内で勝ち切れていないし、世界で実績があるとかいう気負いはない。チャレンジャー精神でやってきたいが、キャプテンとして他の選手の手本になれるよう気を引き締めたい」と話した。
■馳イズムの継承者、1年生で抜てきされた与那覇竜太(専大)の健闘に期待
グレコローマン98kg級の横井健人(中京学院大)は西日本から唯一の参加。「インカレ(全日本学生選手権)勝っていなかったので、選ばれるかなあ、と思っていました。選ばれた時はうれしかったですね。交流試合での遠征はありますが、大会参加の遠征は初めてです」と気持ちが乗っての参加。
来月初めには西日本学生選抜チームがフランスのゴールデンGP予選大会に参加するが、「やはり全日本学生の選抜チームに選ばれた方がうれしいです」と言う。米国のグレコローマンは「組んで投げるというイメージがある。自分もそういうタイプなので、かみあってくれたらいいな、と思っています」と作戦の一端を明かした。 1年生で選抜された与那覇竜太(専大)。旅のお供は1冊の書籍だった!
機中に向かうその手には1冊の書物が。「宇宙とつながる成功習慣 1日10分で最高の自分を引き出せる瞑想メソッド」で、飛行機の中で読み、メンタル面の強化をはかるのだという。
専大の馳浩監督は学生時代、図書館に“隠れて”勉強し、マット上だけでなく活字とも積極的に闘ったことで有名。与那覇の行動は馳イズムの継承? 貴重な“インテリ・レスラー”の健闘が期待される。
選手団は下記の通り。大会は30日にグレコローマン、31日にフリースタイルが行われる(1日は女子)。
◎役員
【コーチ】安達巧(日本文理大監督)、吉本収(神奈川大監督)、太田拓弥(早大コーチ)
【トレーナー】梶尾安正(日本健康医療専門学校)
【帯同審判】土居克也(愛媛・北条高教)
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◎選手
【フリースタイル】
▼57kg級 西山凌代(拓大)
▼61kg級 鴨居正和(山梨学院大)
〃 伊藤和真(専大)
▼70kg級 保坂 健(早大)
▼74kg級 北村公平(早大)
〃 嶋田大育(国士舘大)
▼86kg級 赤熊猶弥(拓大)
▼97kg級 山本康稀(日大)
【グレコローマン】
▼59kg級 北村侑磨(専大)
〃 松澤力也(日体大)
〃 雨宮隆二(山梨学院大)
▼66kg級 屋比久翔平(日体大)
▼71kg級 花山和寛(早大)
〃 永井凌太(拓大)
▼75kg級 阪部創(神奈川大)
▼85kg級 与那覇竜太(専大)
▼98kg級 米平安寛(日体大)
〃 横井健人(中京学院大)
▼130kg級 園田 新(拓大)