2014.01.20

男子グレコローマンの全日本チームがイランへ向けて出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

1月23~24日にテヘランで行われる「ヤデガー・イマム国際大会」に出場し、現地での合宿で強化する男子グレコローマンの全日本チームが1月19日、成田空港発のエミレーツ航空で出発した。ドバイ経由で現地へ入る。

 イラン・レスリング協会のホームページによると、「ヤデガー・イマム国際大会」には、イランのほか、日本、スウェーデン、アルメニア、ハンガリー、ナイジェリア、北朝鮮、アゼルバイジャンの8ヶ国が参加。

 北朝鮮からは55kg級で昨年の世界選手権を制したユン・ウォンチョル、イランからは2011年世界選手権の66kg級で優勝したサエイド・アブデバリ、ハンガリーからは昨年の世界選手権で銅メダルを獲得した84kg級のビクトル・ロエリンツらが出場するという。

 同スタイルの西口茂樹強化委員長は「だれもがレベルを2つくらい上げさせて帰ってきたい。イランがどのくらい練習をしているのかを見てきたい」と、選手および指導者としての自分にそれぞれ課題を掲げ、「アジア大会まであっという間にすぎる。いま必死にならなければならない」と表情を引き締めた。

 2日前、イラン遠征を経験したことのあるフリースタイル55kg級ロンドン・オリンピック代表の湯元進一選手(自衛隊)と話す機会があり、「遠征を通じて自分が強くなっているのが分かった」と話していたそうで、それだけに遠征にかける期待は大きい。「(11月下旬に日本に来た)韓国と同じくらいの練習をやっていると思う。とにかく楽しみです」と、選手の健闘を期待した。

■イランの強さを吸収できるか?

 59kg級に出場する田野倉翔太(クリナップ)は「イランは初めて。どんな練習しているのかを見て、日本選手にないテクニックがあれば吸収してきたい」との抱負。階級区分の変更によって今までの体重より4kg上の階級に出場することになるが、「最初から通じるとは思っていないので、緊張はない。どんなレベルなのかを肌で感じられればいいな、と思っている」と、結果にこだわらずにぶつかっていく腹積もり。

イランの最軽量級といえば、ロンドン・オリンピックの55kg級を制したハミド・スーリヤンがいる。スーリヤンの動向に気になるところで、「練習を再開しているのなら、ぜひやってみたい。試合に出てくれば、ぜひ闘いたい」と言う。

 同じ59kg級に参加し、先輩の田野倉と競い合うことになる60kg級全日本2位の太田忍(日体大)は「緊張しています」と第一声。国体や全日本大学グレコローマン選手権を2年生にして制し、心臓も強いと思われるが、初の全日本遠征は勝手が違うようだ。

 「イランのグレコローマンは、メチャ強い、というイメージを持っています。自分はまだ体ができていないので、体力のほか、強い選手の技術、闘い方などすべてのことを吸収して帰ってきたい。歯がたたなくとも、くらいついてきたい」と話した。

 勤務の関係で全日本合宿には常時参加できない85kg級の天野雅之(中大職)も気合十分で加わった。「職場の理解で3週間近い遠征に参加することができる。このチャンスを最大限に生かし、いい遠征にしたい」と、たまっていたエネルギーを爆発させる腹積もり。「強い選手と同じ中にいられるだけでも気持ちが違う。世界を目指す一員だということを、あらためて実感します」と、気持ちを新たにして機内へ向かった。

 日本選手団は下記の通り。


 【監 督】西口茂樹(拓大教)
 【コーチ】飯室雅規(自衛隊)

 【ドクター】中島耕平(国立スポーツ科学センター
 【トレーナー】大山貴裕(東芝病院)
 【帯同審判】横山二朗(千葉・富里高教)

 【選手】
▼59kg級 田野倉翔太(クリナップ)、太田忍(日体大)
▼66kg級 音泉秀幸(ALSOK)
▼75kg級 藤村義(自衛隊)、金久保武大(ALSOK)
▼85kg級 鶴巻宰(自衛隊)、天野雅之(中大)
▼98kg級 山本雄資(警視庁)