※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
樋口黎(茨城・霞ヶ浦) | 文田健一郎(山梨・韮崎工) | 木下貴輪(鹿児島・鹿屋中央) | 奥井眞生(和歌山・和歌山工) |
浅井翼(京都・京都八幡) | 白井勝太(JWA/東京・帝京) | 武田光司(埼玉・埼玉栄) | 園田平(滋賀・日野) |
男子グレコローマン59kg級 文田健一郎(山梨・韮崎工高→日体大進学予定)
小学校生の頃は週2回程度、遊びのような練習でレスリングをやっていた。当然、全国大会での上位入賞もなし。父・敏朗さん(韮崎工高監督)は現役時代に国体で優勝し、全日本選手権2位の実績もある強豪。歯がゆかったかもしれない。
そんな選手が中学へ進み、全国大会での1勝をきっかけに、レスリングに熱中することになる。その結果、最終学年の2010年に全国大会優勝を達成。アジア・カデット選手権で銀メダルを獲得する選手に成長した。 “専門外”のフリースタイルでもインターハイ王者へ。底知れない強さを見せた文田健一郎(山梨・韮崎工高)
昨年は全国高校生グレコローマン選手権、国体とも、本来より1階級上の60kg級に出場しながら圧勝優勝。ともに無失点のフォール勝ちかテクニカルフォールを重ね、1試合平均タイムは、グレコ選手権が1分17秒、国体は1分5秒。インターハイでも60kg級で優勝を成し遂げ、グレコローマンの強豪はフリースタイルでも通じることを証明。高校レスリング界の強化に一石を投じる結果も残した。
全日本選手権(55kg級)では、世界選手権代表の田野倉翔太(クリナップ)からも3点を奪う善戦。3位決定戦では国体王者を破り、すでにシニアでも通じる実力を見せた。
階級区分の変更により、今年は59kg級での闘いを余儀なくされるが、たとえ区分変更がなくとも、体の成長に合わせて階級を上げるところだったので、予定通りの階級変更。層の厚い日体大軽量級でもまれることで、大きく飛躍が期待される。
■文田健一郎の話「グレコローマン一筋でやってきて、入学した時から2つの大会(全国高校生グレコローマン選手権、国体)の3連覇が目標でした。それを達成できたことによって、全日本選手権で表彰台に上がれたのだと思います。階級区分が変わりますが、自分の体の成長に合わせて最軽量級が59kg級になってくれました。59kg級で闘います。1階級上で闘うことになるわけで、加えて、とても層が厚い階級だと思います。この階級での自分の実力は下の方です。これから、パワー養成を中心に、しっかり体づくりしていきます」
■韮崎工高・文田敏郎監督(=父)の監督「グレコローマンに専念させ、グレコローマンでは高校生のだれにも負けないというプライドで頑張ってくれた。入学時の私の予想以上の成績を残してくれました。高校最後の大会となる全日本選手権は、私がセコンドにつく最後の大会でした。3位に入ってくれ、親孝行してもらったという気持ちです。日体大のグレコローマン軽量級はとてもレベルが高いので、その中でもまれ、実力をつけてほしい。高い意識をもって努力することしかありません。指導は松本監督に託し、私は観客席から応援します」
■松本慎吾・日体大監督の話「グラウンドの防御が強い。スタンドを修正し、スタンド、グラウンドともにしっかりしたレスリングを身につけてほしい。日体大はフリースタイルもグレコローマンも軽量級は質・数ともにそろっている。その中でしっかり練習を積み、早い段階から世界へ出て実績をつくり、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックと2020年の東京オリンピックの金メダルを目指してほしい」
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◎2013年主要大会成績
【3月:全国高校選抜大会・学校対抗戦】=チームは初戦敗退
60kg級1試合に出場しフォール勝ち。
【3月:全国高校選抜大会・個人戦】=(不出場)
【4月:JOC杯】=3位(ジュニア・グレコローマン60kg級)
大学生2選手を破った後、雨宮隆二(山梨学院大)に1-2で敗れる
【8月:インターハイ】=優勝(60kg級)
6試合をフォール勝ち2試合、テクニカルフォール勝ち2試合、判定勝ち1試合で勝ち抜く。総得失点は47-13(1試合平均タイム4分43秒)
【8月:全国高校生グレコローマン選手権】=優勝(60kg級)
6試合をフォール勝ち3試合、テクニカルフォール勝ち3試合で圧勝。総得失点は41-0(1試合平均タイム1分17秒)。大会史上初の3連覇を達成
【10月:国民体育大会】=優勝(グレコローマン60kg級)
4試合をテクニカルフォールで圧勝。総得失点は32-0、総タイムは4分18秒(1試合平均1分5秒)。3連覇達成。