※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)
国体の屈辱を跳はね返しての3連覇に喜び爆発のパフォーマンス
試合は全試合を通じて無失点。「足さえ触らせなかった。今日のレスリングは100点です」と、内容も満足していた様子だった。
1年を振り返り、「世界選手権で7位になるなど、いいことがあった反面、国体で学生に負けたという悪いこともあった」と激動の1年を振り返ったが、国体の敗北はプラスに捉えているという。「勝って当然だろうという気持ちがどこかにありました。世界選手権直後で、体が戻らないまま減量をした状況でしたが、これは言い訳に過ぎません。出ると決めたのに、(100パーセントの調整をしなかった)自分が悪かった」。 国体で負けた相手に終始技を仕掛けた高谷
以後、自衛隊に定期的に出稽古を行うなど成長を求めてどん欲に練習に没頭した。自分を変えるきっかけを作ってくれた山中には「感謝している」と高谷。一度負けたことで強みを増したレスリングを展開することができた。
階級区分の変更があっても、男子フリースタイル74kg級はそのまま残るため、影響は少ないとみられる。84kg級から下げる選手と66kg級から上げる選手は、今大会を最後に体作りから始めなければならないことを考えると、高谷を含む74kg級の選手はアドバンテージがあると言えるだろう。
「来年こそ、世界で1番になることしか考えていない」―。世界選手権に初出場で7位入賞の高谷なら、有言実行の可能性は十分にある!