2013.12.25

全国高校女子エリート合宿がスタート

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

全日本選手権の熱気も冷めやらぬ12月24日、東京・味の素トレーニングセンターで全国高校女子エリート合宿がスタート。約40人の若い選手が全日本コーチの指導のもと、汗を流した。全日本チャンピオンに輝いた宮原優(51kg級=東洋大)、渡利璃穏(63kg級=至学館大)、土性沙羅(67kg級=至学館大)も、指導の側で参加し、高校生の練習相手を務めた。

 前日の日本協会理事会で承認され、男子を含めた全体の強化委員長を兼任することになった栄和人・女子強化委員長(至学館大)は「去年は8人の高校生が3位入賞を果たしたが、今年は向田真優(51kg級)の1人だけで、4位以内も2人しかいない。高校生の実力は落ちている」と分析。2020年東京オリンピックへ向けて、あらためてこの世代の強化に力を入れていかねばならない現状を説明。

 高校選手の実力が落ちているというより、シニアのレベルが上がっているためとも考えられる。同委員長は「キッズレスリングが盛んになって、将来性のある選手は次々と出てくる。しかし、それが実績につながらない時代になっている。素質があっても、実績を残せないのでは意味がない」とし、これまで以上の強化の必要性を力説した。

 強化のひとつに、技術や体力の養成以上に行動の改革を訴えた。「集合がかかってもノロノロと動き、横隊がきちんとできない。周囲を見てやっと行動する、というのが現状。レスリングの技術を教える以前の問題だ」とし、この日は練習に臨む心構えや、あいさつといった生活行動の改善を指導し、「レスリングの強い選手は私生活もしっかりできる選手なんだ」と力説した。

 合宿は27日まで行われる。

笹山秀雄コーチの技術指導

初の全日本チャンピオンとなり、貫録をつけて指導する渡利璃穏