※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(12月23日、東京・代々木競技場第2体育館 / 取材=増渕由気子、三次敏之、渋谷淳、小林岳人、撮影=矢吹建夫)

高塚紀行(自衛隊)
■男子フリースタイル60kg級・高塚紀行(自衛隊=6年ぶりに全日本王者へ)「素直にうれしい。今まで2位でくすぶってきたのですが、今回決勝で勝ち切ることができました。成長の一歩が踏めたと思います。(これまで2位が続いてきて)結果が出ず、ダメなのかと思い悩むこともありましたが、周りの方が支えてくれました。(今後の階級は)大学からずっと60kg級でやってきて、しっかり60kg級をやりきった。来年の選抜(全日本選抜選手権)も勝って、61kg級で世界選手権を目指します」

石田智嗣(警視庁)
■男子フリースタイル66kg級・石田智嗣(警視庁=全日本選抜選手権、国体と勝てなかったが、年の最後に優勝して2連覇)「今年は負けてばかりで辛い1年だったけど、最後に勝てたので、支えてくれた人に感謝の気持ちでいっぱいです。決勝で3点を先制されましたが、後半勝てると信じていた。国体は安易な気持ちで臨んだ部分があり、初戦で(大学生に)負けてしまった。そのあと、辞めようかと思った時もあったが、周囲の支えで続けてこられた。来年は世界選手権やアジア大会など、出していただける大会で頑張りたい」

音泉秀幸(ALSOK)
■男子グレコローマン66kg級・音泉秀幸(ALSOK=60kg級ロンドン・オリンピック代表の松本隆太郎を破って初出場)「松本さんを迎え撃つ形になりましたが、練習ではやられているので、胸を借りるつもりで闘いました。(10月の国体はけがで途中棄権)自分の欠点として、体を大事にしないということがありました。体のどこかが痛くても普通に練習したり、無理な筋トレもしたり…。今回は休息もとってけがを完治させました。(階級区分が変わって)階級を上げてくる人も下げてくる人もいると思うが、66kg級の代表として負けないよう頑張ります」

斎川哲克(両毛ヤクルト販売)
■男子グレコローマン96kg級・斎川哲克(両毛ヤクルト販売)「(今日の圧勝について)世界で活躍していた先輩たちは、国内では圧勝していたので、これぐらいで勝たないと思った。今年の世界選手権は集大成と思って出場したが、メダルを取れなくて負けて帰ってきたので、とても恥ずかしい気持ちだった。周りの人は『お疲れ』と言ってくれたけど、悔しかった。今後は栃木県の教員として指導者にあたっていく。競技生活は、周囲の先生たちと相談して決めていきたい」

吉田沙保里(ALSOK)
■女子55kg級・吉田沙保里(ALSOK=自身最後と思われる55kg級で有終の美を飾る)「決勝戦は自分がずっとやってきた55kg級を守りたいという一心で、なんとか優勝できました。ポカができないというか、失敗は許されないという気持ちから、動きが硬かったかもしれません。来年は(オリンピック階級となる)53kg級に出ようと考えています。若い子たちが伸びていて、追われるのは苦しいけれど、若い人と切磋琢磨してリオデジャネイロ・オリンピックを目指したい」

伊調馨(ALSOK)
■女子59kg級・伊調馨(ALSOK=階級を59kg級に下げて初優勝し、天皇杯を初受賞)「(59kg級は)動きも違えばスピードも違う。まずは体づくりからやっていきたいです。63kg級で闘ってきて、元々体重が足りなかったこともあり、階級を下げました。小さい選手の方がやりづらさを感じました。来年1年間、58kg級でやってみて、やれるかどうかを改めて考えたい。世界の選手もガラッと変わってくると思う。やったことがない選手が階級変更してくるケースが増えると思います」

浜口京子(ジャパンビバレッジ)
■女子72kg級・浜口京子(ジャパンビバレッジ=1年4ヵ月ぶりの復帰戦で通算16度目の優勝)「出場をすごく迷いましたが、チャレンジしてよかったです。挑戦しないことは、楽なことですが、自分のレスリング人生がこのままになっていいものかという思いもありましたから。(鈴木博恵戦での2-2からの逆転勝利は)最後まであきらめない気持ち、心が折れなかったこと、集中力があったから勝てたのだと思います。今は出場できる喜び、優勝できた喜びでいっぱいです。来年3月に日本で開催されるワールドカップに出場させてもらえるなら、出場したいです」