※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(12月22日、東京・代々木競技場第2体育館 / 取材=増渕由気子、三次敏之、小林岳人、撮影=矢吹建夫)

高谷惣亮(ALSOK)
■男子フリースタイル74kg級・高谷惣亮(ALSOK=国体で負けた相手にテクニカルフォールでリベンジして3連覇)「(決勝で勝って)倍返しできたと思います。作戦はなかった。自分ではタックルしかないので(作戦をと立てられない)。国体の時は、タックルにいってがぶり返しでやられたが、そんなことでびびっていたら世界では勝てないので、タックルで攻めた。今年1年は世界選手権に出場したり、国体で負けたりといいことと悪いことがあったが、そのすべてが僕のためになったと思う。来年の高谷惣亮の活躍に期待してください」

山口剛(ブシロード)
■男子フリースタイル96kg級・山口剛(ブシロード=3試合に圧勝して2連覇)「1年の最後を飾るこの大会で優勝できてホッとしています。今回は失点が多かったので(注3試合で4失点)、課題が多く残った。年明けからしっかりやっていきたいです。優勝時に敬礼ポーズ(セコンドのプロレスラー、永田裕志の得意ポーズ)をしたのは、後輩から頼まれたからです。いつも、練習を見ていただいている監督に、恩を返せたらと思ってやりました」

藤村義(自衛隊)
■男子グレコローマン74kg級・藤村義(自衛隊=階級をアップして最初の全日本選手権で優勝)「66kg級では優勝していたのですが、74kg級で勝てるかどうか不安だった。でも運とかもあって勝てました。今日のところは素直に喜んで、明日からまた頑張りたいです。減量がなくなって、初戦など入りの部分は最初から腹に力が入ってよかった。(昨年王者と今年の世界選手権代表を破ったが)ロンドン・オリンピックの時に比べたらまだ調子が戻っていない。ルール変更でスタミナが重要になり、減量は4~5kgがベストだと思っている。新階級の75kg級に向けて、体をつくっていきたい」

鶴巻宰(自衛隊)
■男子グレコローマン84kg級・鶴巻宰(自衛隊=84kgに上げてから初めての優勝)「階級を上げて1回目(2012年全日本選手権)、2回目(今年の全日本選抜選手権)とも2位で終わってしまったので、優勝できてよかった。天野(雅之)選手、岡(太一)選手、伊藤(諒)選手はお互いに手の内が分かっている。スタンド戦に力を入れました。元々グラウンド重視のタイプでしたが、新ルールになってからスタンド重視の練習を行ってきました。(新階級は85kg級となるが)現状では84kgでも力の差を感じているので、ウエートトレーニングやレスリングのトレーニングをしっかり頑張っていきたい」

前川勝利(早大)
■男子グレコローマン120kg級・前川勝利(早大=10月の国体で負けたライバルを破って2連覇)「(園田には)リーグ戦と国体で負けていて、選抜(全日本選抜選手権)と全日本大学グレコ選手権勝っていた。今回勝ち越せてよかったです。(階級区分変更によって)120kg級としては最後のチャンピオンになれたことが、素直にうれしいです。第1ピリオドで出したそり投げは、世界の舞台で闘っていくには飛び技が必要だと思っていましたので、自然に出ました。新階級は130kg級となりますが、海外の選手をみると、絞れている選手ばかりなので、自分ももう一度鍛え直して世界に挑戦したいです」

登坂絵莉(至学館大)
■女子48kg級・登坂絵莉(至学館大=決勝の入江ゆき戦は第1ピリオド、0-4とリードされながらも、第2ピリオドで14―4と逆転勝利)「4ポイントリードされて、まずいと思いました。あそこでいかなければ負けると思って、アンクルホールドをかけました。今年は初めて世界チャンピオンになって、今まで感じたことがないプレッシャーとか、いろいろありましたが、優勝しなければ世界チャンピオンになったことも台なしになってしまうと思って練習していました。アンクルホールドは高校に入学した時に、(栄)監督にこれでもかというほど教えていただいた技だったので、試合で使えてよかったです。こんなに回したのは初めてです。ディフェンスとスタミナを強化して来年も頑張ります」

土性沙羅(至学館大)
■女子67kg級・土性沙羅(至学館大=昨年の63kg級チャンピオンを破って3連覇)「(相手の工藤選佳代子は)スパーリングでタックルを返されることが多かった。今日の試合は横についてのタックルに入ることを意識しました。今年は不満の残る1年でした。来年の目標は世界選手権に出て優勝すること。スパーリングの回数を増やしたり、ウエートトレーニングをして、もっと攻められる体力をつけたい。(48kg級世界チャンピオンの)登坂選手の練習量の多さや、気持ちの強さに刺激を受けました」