2013.12.05

【全国中学選抜選手権・特集】松雪姉妹(刈谷クラブ)が双子で表彰台へ

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文=増渕由気子、撮影=保高幸子)

双子で初の決勝進出だ! 東京都知事杯全国中学選抜選手権の女子62kg級は、全国中学選手権女子57kg級2位の松雪泰葉(刈谷クラブ)が、決勝で三輪奏歩(千葉・野田一中)を5-0で破り、2年生で初優勝を飾った

 オリンピック除外問題で大幅にルールが改正され、6月の全国中学生選手権は、中学生も3分2ピリオドに変更された。だが、その後、国際レスリング連盟(FILA)が正式にスクールボーイは2分2ピリオドと設定したことから、今大会はそれに準じて行われた。

 松雪は、「今回のルールのほうがやりやすかった」と、序盤にアクティブタイムで1点をもぎとってから流れに乗り、「相手が重かったので、自分が動いて行かないと」と果敢に攻めて優勝を決めた。

 今大会は、双子の妹で57kg級に出場した松雪成葉も準優勝。双子同時優勝はならなかったものの、姉は中学ビックタイトル初戴冠で、妹も中学初の決勝進出を果たすなど、初もの尽くしの大会となった。

2人は10月の全日本女子オープン選手権(静岡・三島市)にも出場したが、ともに57kg級に出場し、準決勝で対戦することになった。この時は姉の泰葉が勝ち、最終的には泰葉が2位、成葉が3位だった。今回は階級を分けていたためダブル優勝のチャンスがあったが、それは次回にお預けとなった。

 レスリングを始めたのは3歳の時から。レスリング経験者の父や兄の影響で始め、これまでずっと地元の刈谷クラブで練習を積んでいる。刈谷クラブといえば、今年の世界選手権男子60kg級で代表となった前田翔悟(クリナップ)を育てたクラブ。松雪双子も、“前田先輩”のように、将来、全日本や世界の舞台で活躍する夢を抱きながら練習を積んでいる。

 2人そろって飛躍となった今大会、姉・泰葉は「クイーンズカップなどほかの全国大会でも優勝したい」と話せば、成葉も「課題はタックル。次こそ双子そろって優勝したい」ときっぱり。レスリング界では、姉妹で話題になった選手はたくさんいるが、双子で全日本を席巻した女子選手はまだいない。

 近い将来、双子そろってオリンピックメダリストになった湯元進一、健一双子のようなビッグツインズになれるか-。