※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
練習開始前、4ヶ国の選手を激励した下村文部科学大臣
下村文部大臣は、政治の世界では日韓中の関係が微妙な状況であることを説明したあと、「スポーツの世界は違う。4ヶ国の交流によってともに発展してほしい。皆さんの中から2016年、2020年オリンピックのメダリストが生まれると思います。最大のバックアップを約束します」と話した。
今回の合宿は、外国のチームとできるだけ手合わせするため、トレーニングはほとんど行わず、マットワークが中心。この日も午前、午後ともにマットで技術練習やスパーリングをこなし、技術の交流を行った。
不在の栄和人・強化委員長(至学館大教)は報道陣に「リオデジャネイロ・オリンピックでは、6階級中5階級で金メダルを取る」とメッセージ。指揮をとった笹山秀雄コーチ(自衛隊)は「若い選手にはいい経験となる合宿」と、積極的に外国選手に挑むことを注文する一方、全日本選手権が近いので「特にトップ選手は、けがをしないことを考えてほしい。ここでけがをしたら何もならない」と、追い込む中にも目標を見すえての練習を望んだ。
51kg級世界チャンピオンのスン・ヤナン(中国)
■55kg級・吉田沙保里(ALSOK)「文部科学大臣が私たちのために来てくれたのは、とても光栄なことだと思います。アジアだけの合宿は珍しいことで、見たことのない若手選手も来ていて刺激になります。51kg級の世界チャンピオンともスパーリングしました。最初に挑んできました。手の内を知られても、その上をいくのが面白いので、びびらず、思い切ってやります。けがもなく全日本選手権へ向けていい具合に仕上がっています。全日本選手権は若手選手も必死でくると思うので、集中してやります」
4ヶ国のトップ選手が集った初のアジア合宿
■72kg級・浜口京子(ジャパンビバレッジ)「このマットでまた練習させてもらうことに心から感謝しています。ロンドン・オリンピックでの負け方が引っ掛かっていて、やり遂げていないことがあるような気がしました。ました。これ(復帰)を逃したらレスリングが遠ざかってしまうような気がして、思い切って飛び込みました。まだ全日本選手権のことしか考えていません(リオデジャネイロは考えていない)。レスリングが私の心の中のそばにありすぎて、引退を考えることがありませんでした。それほどレスリングが好きで、生きがいになっています。試合から離れている時は、闘っている選手がすごくうらやましいという気持ちでした」
![]() 外国チームの監督・コーチを激励する下村大臣 |
![]() 福田富昭会長の案内で練習を見学する下村大臣。右は日本スポーツ振興センターの河野理事長 |