2013.12.03

【全国中学選抜選手権・特集】最後の中学大会で初の表彰台!…有終V飾った男子53kg級・志賀晃次郎(京都八幡ク)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文=増渕由気子、撮影=保高幸子)

中学最後の大会で初優勝だ! 全国中学選抜選手権の男子53kg級は、志賀晃次郎(京都八幡ク)が決勝で藤田大貴(いなべク)を3-2で勝ち、初優勝を飾った。「これまでは、全然成績がよくなかったので、(中学)最後の大会で優勝できてうれしい」と笑顔を見せた。

 努力はしているものの、結果が出ない3年間だった。志賀は「いつも頑張ってはいたのですが」と苦笑い。これまで、全国中学選手権(全中)やこの大会ともに3位以内の入賞も果たせず。今年6月の全中では、準々決勝で第1シードで同大会を制した榊大夢(福島・北信中)に敗れてベスト8だった。

 そんな志賀にチャンスが訪れた。今大会は全中王者が何人も敗れるなど波乱が多く、53kg級も第1シードから第4シードまでが軒並み上位進出ならなかった。そんな番狂わせを目の当たりにした志賀は、「これは、自分が優勝しないといけない」と今まで以上に、優勝への執念が沸いてきた。

ベスト4進出の壁だった準々決勝で、第1シードの東本拓真(吹田市民教室)を破った矢部和希(東海ジュニア)を8-0とテクニカルフォールで下すと、準決勝も圧勝し、ついに夢の決勝の舞台へ進出した。「今日は得意のローシングル(のタックル)が決まった」と京都八幡のお家芸の技が冴えた。

 全体を通してテクニカルフォールで一方的な展開になるのが多かった今大会だが、藤田と闘った決勝戦は3-2と1点を争う展開へ。1点差を守って勝ったように見えるが、「(タックルを)もう1本取りたかったですけど」と、志賀自身は最後まで攻める姿勢を崩さなかった。

 京都八幡クラブは、母体が京都八幡高校。近年では全日本選抜王者の田中幸太郎(阪神酒販)や全日本学生選手権優勝の北村公平(早大)、国体王者の池田智(日大)などを輩出しているクラブだ。志賀も強い先輩たちにあこがれてレスリングを続けている。

 来年の春は、先輩たちと同じ京都八幡高に進学する予定だ。「次の目標は、高校1年でインターハイに出ることです」と、得意のローシングルタックルで高校界でも活躍することを誓った。