2013.12.03

浜口京子(ジャパンビバレッジ)が1年4ヶ月ぶりに参加…全日本女子チームが合宿スタート

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

外国チームより半日早く合宿をスタートした日本チーム

 12月3日(日)から東京・味の素トレーニングセンターで始まるアジア女子合宿を前に、全日本チームが2日、集合し、練習を開始した。

 栄和人強化委員長(至学館大教)は「外国選手との練習は、慣れた日本選手との練習より刺激になり、緊張感の中で練習ができる。外国選手を相手に自分が世界の中でどの位置にいるかを確かめてほしい。自主性をもって追い込んでほしい」とリクエスト。

 ただ、全日本選手権が近いこともあり、「厳しさの中にも、無理をしてけがすることのないよう細心の注意を払ってほしい」と話した。

 今回は、全日本選手権72kg級にエントリーしたオリンピック3度連続出場の浜口京子(ジャパンビバレッジ)が、約1年4ヶ月ぶりに参加。同選手権で闘うことも予想される新海真美(アイシン・エィ・ダブリュ)ともスパーリングするなど熱のこもった練習をこなした。

 浜口は「全日本合宿に参加させてもらうことに感謝しています」と、久しぶりの全日本合宿の第一声。これまでも浜口道場を中心に練習は続けていたが、全日本のチームメートとの練習は違うようで、「みんなと一緒に練習できることがうれしく、幸せなことなんだなと思いました」と続けた。

 オリンピック後、進退は明言しなかったが練習は続けていた。「ばてることもなく、以前と変わりませんでした。ただ、チャレンジャーだと思っています。レスリングを始めた10代の頃の気持ちでやります。今までの実績はなしで臨みます」と言う。

同じオリンピック代表の吉田沙保里や伊調馨(ともにALSOK)が3分2ピリオドの新ルールを経験しているのに対し、浜口は全日本選手権でこのルールに初めて挑むことになる。しかし「これまでにもルールは何回も変わってきて、それに対応してきました」と不安はなし。2004年まではこのルールだったわけで(注=当時は最大で3分間の延長あり)、特別なこととは思っていないようだ。

 浜口とスパーリングをした新海は「ブランクを感じませんでした。圧力もすごいし、スタミナもある。前と全然変わっていないので、しっかり練習していたんだな、と思いました」と言う。全日本選手権を前に練習できたのは大きな刺激材料のようで、「試合で闘うのが楽しみです。(全日本選抜選手権で初戦敗退に終わったあと)やるべきことはやってきました。勝ちます」ときっぱり。

 浜口のいない間にアジア・チャンピオンに輝き、ゴールデンGP決勝大会でも2位と実力をつけている鈴木博恵(クリナップ)は、この日はスパーリングのみならず、打ち込みでも手合わせもなし。しかし、何日か前に東京・安部学院高校に練習し行った時、たまたま浜口も来ていてスパーリングをしたという。「まだまだ強かったです。全然衰えていないですね」と警戒心を持っている。

 「日本代表といっても、京子さんに勝って日本代表になったわけではない。勝って、本当の日本代表になります」と闘志を燃やした。

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世界チャンピオンの登坂絵莉(右)と挑む入江ゆき

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