2013.10.18

【全日本大学グレコ選手権・特集】今月2個目のタイトルに何度もガッツポーズ…60kg級・太田忍(日体大)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 学生王者・松澤力也らとの過酷な部内予選を勝ち抜いて全日本大学グレコローマン選手権の60kg級に出場した太田忍(日体大)が、4試合を勝ち抜いて優勝。今月の東京国体でのシニア初優勝に続き、初の学生タイトルを奪取した。

 国体王者なのだから、学生の大会での優勝は当然とも思われるが、「初」ということのうれしさはひと味違うようだ。「正直にうれしいです」と喜びを表した。反対側のブロックから同期の雨宮隆二(山梨学院大)が上がって来ることは予想しており、「どうやって勝とうか」と研究していたという。難敵を破っての優勝に、勝利の瞬間には何度もガッツポーズが飛び出るなど、喜びもひとしおなのだろう。

 出場を言い渡されたのは1週間くらい前。「選んではもらいましたが、(松澤には)練習では本当に勝てないんです。代表が決まってからの練習でも勝てないので不安でした。でも、選んでもらった以上、勝たなければならないと思って頑張ってきた。勝ててよかった」と安堵の表情。それでも、トータルで5失点を喫したことは「反省材料です」と話し、国体時に負けず劣らず、優勝に浮かれる様子はなかった。

 国体の激戦から10日しかなく、コンディションづくりも大変だったと思われるが、「これまでにも、試合間隔が短い時もありました。新人戦のすぐあとに全日本選抜選手権があったり、世界ジュニア選手権のあとあインカレに出たりとか。体調は問題なかったです」と振り返る。過密日程をものともしない若さは頼もしい限りだが、次の目標の全日本選手権までには、2ヶ月以上もある。

 本来の55kg級に出るか、階級区分変更を見越して60kg級に出るかは未定だが、「無駄な点を取られないことが課題。今回、追い込まなければならないところを追いこまなかったり、油断してポイントを取られたりした。ここを無失点に抑えないと、全日本では通用しないと思う。自分の形を崩さないように攻める練習をしたい」と、今度は腰を落ち着けて課題に取り組み、全日本王者を目指す。