※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=増渕由気子) OBらが参加しての除幕式
日体大レスリング部の監督~部長を長年務め、指導に携わってきた藤本英男氏が発起人となり、「日本レスリング協会の創立者であり、情熱と高い目標意識で今日の日本レスリングを築きあげた」と、故・八田氏の胸像を寮入口に設置をすることを企画。1964年東京オリンピック金メダリストの花原勉氏と同オリンピックと1968年メキシコ・オリンピック金メダリストの小幡洋次郎氏(旧姓上武)らの記念講演会が行われた。
日体大健志台キャンパスの講義室には、約80名の現役学生選手に加えて、先日の世界選手権に出場した男子グレコローマン55kg級代表の田野倉翔太(クリナップ)や、96kg級で5位の好成績を残した斎川哲克(両毛ヤクルト販売)らのOB、その他の関係者などが参加して行われた。
群馬県付近の高速道路事情により、小幡氏が開始時間に間に合わないというハプニングが起こったが、講演にかけつけた他のOBらが到着まで教壇に立ち、「日本のレスリングの歴史と未来」という内容に沿って、八田先生とのエピソードや自身のレスリングに対する強い思いを学生たちに伝えた。
八田氏がテーブルマナーついて厳しかったこと、成績が悪いと髪の毛や下の毛を剃られたエピソードなどを交えて各氏が熱弁。花原氏は「私は(剃ったことが)2度もあります」と笑いを誘った。だが、「毛が生えてくるまで数週間はかかる。風呂に入るたびに、あるべきところにあるべきものがなく、事の重大さを受け止めた」と八田イズムが成長につながったとを挙げた。
また、小幡氏は「八田先生は心が深く、誰でも何でも受け入れる方でした」と派閥を問わず指導者を登用し、選手に剣道や合気道を経験させて他の競技を通してレスリングの向上させたことを話した。小幡氏は八田氏のエピソードもさながら、日本男子唯一の五輪連覇を達成した現役時代のエピソードも交えて話し、その型破りなレスリングスタイルを披露したが、「レスリングに必要なものは、構え、組手、レスリングそのものを(相手より)リードする、この3つが大切」と現役選手に訴えた。
![]() 八田氏の銅像を囲む(左から)藤本前部長、花原氏、小幡氏 |
![]() 除幕式を記念し、オリンピック金メダリストの講演会が行われた |