2013.09.23

3選手とも上位進出ならず、男子は8年ぶりにメダルなし…世界選手権最終日

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 【ブダペスト(ハンガリー)】世界選手権最終日は9月22日、ハンガリー・ブダペストで男子グレコローマン3階級が行われ、日本の3選手はいずれも上位進出ならなかった。

 74kg級の金久保武大(ALSOK)が初戦の2回戦でロンドン・オリンピック3位のアレクサンドル・カザケビッチ(リトアニア)を5-4で破ったものの、3回戦で2009年世界2位・同オリンピック5位のマーク・マドセン(デンマーク)に微妙な判定で黒星。敗者復活戦に回ることはできなかった。

 66kg級の清水博之(自衛隊)と120kg級の前川勝利(早大)は、いずれも初戦で敗れ、敗者復活戦に回ることなく大会を終えた。

 男子グレコローマンは前日の96kg級・斎川哲克(両毛ヤクルト販売)の5位が最高で、7位の60kg級・倉本一真(自衛隊)とともに、入賞者2人という結果に終わった。

 男子は両スタイルを合わせてメダルなしに終わり、2006年大会から世界選手権とオリンピックで続いていたメダル獲得の伝統が途切れた。

 各選手の成績は下記の通り。


 ◎男子グレコローマン

 【66kg級】清水博之(自衛隊)   39選手出場

2回戦 ●[3-7]Edgaras Venckaitis(リトアニア)
 《試合経過》1度ずつパッシブを取られたあと、2分14秒に清水がコーションを取られる。パーテールポジションの防御をこらえられず、リフトを受けて3失点。終了間際に場外に出されて1失点。第2ピリオド、相手に最初のコーションが課せられ、清水はグラウンドで攻めてローリングで1点。しかし乗られてしまい、5秒ルールで1点も加わって1-7とピンチ。5分に相手に2度目のコーション。1点をもらった清水はスタンドを選択して攻撃。5分48秒、清水は相手を場外に出し、ジャッジの判定はは場外逃避。しかし、不可解にもジュリーが介入して1点のみとなり、3-7で試合が終わった。

1回戦  BYE

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 【74kg級】金久保武大(ALSOK)    39選手出場

3回戦 ●[1-1C]Mark Overgaard Madsen(デンマーク)
 《試合経過》第1ピリオド1分24秒にパッシブとコーションを受けた金久保だが、グラウンド攻撃は守り0-0。第2ピリオド、金久保が2度目のコーションを受けて0-1。グランドは守る。金久保が攻勢を取り、4分59秒にコーションを与えてグラウンドで攻める。がぶり返しは失敗したが、リスク・レスリングで0点。押し合いのあと、金久保が5分54秒、相手を崩してバックを取る。デンマークのチャレンジの結果、場外の1ポイント。このままのスコアで試合が終わり、コーションを多く取られていた金久保の負けとなった。

 【注】0-1のあと、金久保が相手を崩してバックを取り、レフェリーは2点を挙げ、この段階で電光掲示板は金久保の2-1を示しました。デンマークのチャレンジの結果、テークダウンではなく、場外ポイントの1点となったもようです(ビデオでは場内でのアクションと見える)。

 電光掲示板は2-1のまま試合が再開。ジュリーが「1点」を上げており、チャレンジ失敗の1点が加わって掲示板は3-1に変わるものと思われました。しかし掲示板は2-1で試合終了。チェアマンは赤の板(金久保)を上げて金久保の勝利を表示しましたが、ジュリーの介入により、1-1のコーションの差によってデンマークの手が上がるという納得できない判定でした。

 (デンマークのチャレンジにより、2点が1点に変わったので、チャレンジ成功=スポンジはデンマーク陣営に返さなければなりませんが、レフェリーがそれを忘れていたことも、周囲は金久保のリードと思っていた要素です)

2回戦 ○[5-4]Aleksandr Kazakevic(リトアニア)
 《試合経過》開始1分30秒までお互いに1度アテンションを受ける。1分56秒、相手のコーションで金久保がグラウンドでの攻撃権を得て、低い俵返しを決て2点。その後、投げ技で3点を追加。第1ピリオドの終盤に相手のそり投げを受けるが、5-4とリード。第2ピリオドは中盤に金久保がコーションを取られるが、無失点で切り抜けた。

1回戦  BYE

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 【120kg級】前川勝利(早大)   27選手出場

1回戦 ●[警告、5:25(1-2)]Radhouane Chebbi(チュニジア)
 《試合経過》50秒、相手にパッシブが与えられ、1分26秒にコーション。前川はスタンドを選択。今度は前川がパッシブ、コーションと取られるが、グラウンドはこらえて0-0。第2ピリオド、3分45秒に相手に2度目のコーション。前川が1点をもらい、スタンドを選択。4分28秒には前川が2度目のコーションを取られ、1点を取らるが、グラウンドはこらえる。しかし5分25秒、前川が3度目のコーションを取られ、試合が終わった。