※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
【ブダペスト(ハンガリー)】世界選手権第5日は9月20日、ハンガリー・ブダペストで女子2階級、男子グレコローマン1階級が行われ、女子67kg級の土性沙羅(至学館大)が銅メダルを獲得した。
初出場の土性は1~3回戦をフォール、またはテクニカルフォールで順調に勝ったものの、準決勝で欧州チャンピオンのアリナ・スタドニク(ウクライナ)に逆転のフォール負け。しかし、3位決定戦で欧州選手権3位のアリン・フォケン(ドイツ)をフォールで下した。
女子72kg級の鈴木博恵(クリナップ)は、1回戦を勝ったあと、2回戦でロンドン・オリンピック優勝のナタリア・ボロベワ(ロシア)にフォール負け。敗者復活戦に回ったものの、同オリンピック代表のブルマー・オチルバト(モンゴル)に敗れ、9位に終わった。
男子グレコローマン55kg級の田野倉翔太(クリナップ)は初戦の2回戦でベトナム選手を破ったあと、3回戦で2010年アジア大会2位、今年のアジア選手権3位のカニベク・ゾルチュベコフ(キルギス)に警告失格で敗れ、敗者復活戦に回れなかった。
この日で女子が終了。日本は昨年の「金1個・銀1・銅1」を上回る「金3・銅1」を獲得。国別対抗得点は48点を獲得し、2年ぶり18度目の優勝を遂げた。2位は、優勝こそなかったものの「銀2・銅3」を取ってまんべんなく上位進出を果たしたモンゴルが1点差で入った。3位は米国。
各階級の成績は下記の通り。
![]() 銅メダル獲得の土性沙羅 |
![]() モンゴルを1点差で押さえ、団体優勝の日本・谷岡郁子団長 |
◎女子
【67kg級】土性沙羅(至学館大) 3位=24選手出場
3決戦 ○[フォール、5:02(9-1)]Aline Focken(ドイツ)
《試合経過》先に消極性の注意を受けた土性だが、そのあと正面タックルを決めて2点を先制。タックルで場外へ出されて2-1。第2ピリオドは一進一退のあと、土性がパッシブを受けて30秒ルールがスタート。土性はくぐりタックルで2点を取り、相手のタックルを振ってバックを取って2点。さらにタックルから押さえ込み、フォールを決めた。
準決勝 ●[フォール、2:05(4-3)]Alina Stadnik-Makhynia(ウクライナ)
《試合経過》中盤にタックルで2点を取った土性。外無双のような技で2点を加えた。しかし首投げにかかってしまい、無念のフォール負け。
3回戦 ○[フォール、2:12(6-2)]Leidy Marcela Izquierdo Mendez(コロンビア)
《試合経過》開始直後にタックルへいった土性だが、かわされて2失点。中盤、タックルで2点を返す。がぶって、左手で相手の左脚をとって倒し、ニアフォールを奪ってそのまま押さえ込んだ。
2回戦 ○[Tフォール、0:59(7-0)]Daria Urszula Osocka(ポーランド)
《試合経過》開始9秒、土性が正面タックルで場外へ出し1点を先制。外無双で2点を加え、タックルで2点。さらに左脚を取ってテークダウンを決め、7-0へ。
1回戦 ○[フォール、2:28(7-4)]Luz Clara Vazouez(アルゼンチン)
《試合経過》開始早々、タックルへ行った土性。自滅気味に倒れて2失点。さらに正面タックルを受けて0-4。正面タックルで反撃し、場外へ出して1点。さらに正面タックルでお尻をつかせて3点。タックルからニアフォールを奪い、フォールを奪った。
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【72kg級】鈴木博恵(クリナップ) 9位=25選手出場
敗復戦 ●[1-5]Burmaa Ochirbat(モンゴル)
《試合経過》1分すぎ、鈴木はがぶられてバックを取られ2失点。パッシブを受けて30秒ルールによってさらに1失点を失う。第2ピリオド、30秒ルールで1点を取ったものの、ラスト30秒、外がけで倒され、1-5とされた。
2回戦 ●[フォール、0:53(0-3)]Natalia Votobeva(ロシア)
《試合経過》開始早々、右足を取られお尻をついた鈴木。2点を取られたあと、相手のうまい身のこなしで横四方固めへ持ち込まれ、フォールされた。
1回戦 ○[フォール、2:08(8-0)]Ilana Kratysh(イスラエル)
《試合経過》鈴木が外無双で3点を取り、5秒以上のニアフォールで4-0へ。組み合って背中からマットへ落として3点。押さえ込んで、フォールはならなかったが3点技2度でテクニカルフォール勝ち。、
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◎男子グレコローマン
【55kg級】田野倉翔太(クリナップ) 14位=33選手出場
3回戦 ●[警告、4:54(3-4)]Kanybek Zholchubekov(キルギス)
《試合経過》第1ピリオド、0-0のあと、相手がパッシブを受け、さらに警告。田野倉はパーテールポジションから攻めるが、不可解なフライグを取られ、警告を受けて0-1。終了間際、相手の指つかみの反則で警告(スタンド・グラウンドの選択はなし)。スコアは1-1。第2ピリオド、田野倉が2度目警告を取られ、パーテールポジションの防御から体を回されて2失点。カウンターで乗って2点。3-3となあって残り1分30秒。このあと30秒近くの攻防で田野倉に3度目の警告が与えられ。納得のできない警告失格となった。
2回戦 ○[Tフォール、2:13(7-0)]Doi Dang Tien(ベトナム)
《試合経過》開始39秒、胴タックルで相手を場外に出して1点。さらに胴タックルで背中から落とし、5秒ルールで1点。ローリングを決めて7-0とした。
1回戦 BYE