2013.09.18

【世界選手権・特集】男子フリースタイル120kg級・荒木田進謙(警視庁)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 【ブダペスト(ハンガリー)、文=池田安佑美、撮影=保高幸子】1回戦を勝っただけでは満足できない! 男子フリースタイル120kg級に出場した荒木田進謙(警視庁)は、初戦のウルバネヤ・ビベネス(ベネズエラ)を8-0とテクニカルフォールで下して幸先いいスタートを切ったが、2回戦のテルベル・ドラグネフ(米国)に7-0。ポイントを取れずに第1ピリオドでテクニカルフォール負けを喫し、上位進出はならなかった。

 前日、全日本チームの練習仲間である96kg級の山口剛(ブシロード)が、同級では快挙となるベスト8に進出。敗れたロシア戦でもポイントを取るなどして健闘した。「近くの選手があのような成績を残して、励みになった。これからやっていけば、自分も勝てるんだなと思いました」と、希望を持ってマットに上がった。

 初戦は足もよく動き、得意のタックルなど攻撃スタイルを貫いて3分31秒でテクニカルフォール勝ちした。だが、2回戦は逆にテクニカルフォール負け。「パワーの差を感じてしまった」と敗因を挙げるとともに、今後の課題が浮き彫りになった。

 「皆さん(報道陣)も分かったかもしれませんが、(米国選手のパワーに)ビビッてしまいました。私と剛(山口)の違いはそこなのかな、と。剛は単身で海外に武者修行に行って、強い外国人に慣れている。私は海外試合の回数は多いのですが、まだ相手にさわった時に、怖さが出てしまいます」。

 外国人選手相手の経験不足を挙げ、試合ではなく、練習や生活まで一緒にやって、 “外国選手”に免疫をつける必要を課題に挙げた。「海外に行きたいです。私も海外に1カ月ほどいれば、(必ず)収穫はある。アメリカに行ってみたい」と、武者修行の希望を口にした。