2013.09.18

【世界選手権・特集】男子フリースタイル84kg級・松本真也(警視庁)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 【ブダペスト(ハンガリー)、文=樋口郁夫、撮影=保高幸子】2大会連続で世界選手権のマットに立った男子フリースタイル84kg級の松本真也(警視庁)は、地中海選手権優勝のトルコ選手に1点も取れずに敗退。前回大会の4回戦進出を超えることはできなかった。

 0-0で試合が進んだあと、松本が注意、さらにパッシブを受けて30秒タイムに突入。これで松本の心理に焦りが乗じたのか、タックルに行ってバックを取られて2点を先行された。さらにタックルを受け、ローリングも決められて0-6。第2ピリオドは開始から早ううちにテークダウンを奪われ、7点差とされてしまった。

 松本は「短くてすみません。情けない内容でした」とがっくり。組み負けていたというより、相手の中に入り込めず、相手の外でレスリングをしてしまったとのことで、「もっと近づければアタックできたかもしれない」と悔やんだ。

 7月下旬の韓国遠征で鼻骨を骨折し、思うように練習ができなかった。スパーリングができるようになったのは8月下旬で、しかも覆面のようなフェイスガードをつけてという苦しい日々が続いた。試合では、攻め込む恐怖心はなかったそうだが、「練習量の不足はあったかもしれない」と振り返る。しかし、「言い訳にはなりません」ときっぱり。

 ロンドン・オリンピックを逃した後、リオデジャネイロ・オリンピックを見据えるというより、1年、1年に勝負をかけて活動続行してきた。この内容のまま終わるわけにはいくまい。「負けた事実をしっかり受け止め、次につなげたい。来年のこの大会に出られるように頑張りたい」と話し、歩みを止めるつもりはない。

 来月初めの東京国体への出場も決まっており、闘いはまだ続く。