2013.09.12

男子両スタイルの日本代表選手が決意表明

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 9月16日(月)~22日(日)にハンガリー・ブダペストで行われる世界選手権に出場する男子両スタイルの日本代表チームは、フリースタイルが7~11日、東京・味の素トレーニングセンターで最後の合宿をこなし、グレコローマンが11~15日に同所で合宿。本拠地で最終調整を行って現地へ向かう。

 レスリングのオリンピック存続決定の9日を含めて合宿を続けていたフリースタイル・チームは、11日午前の練習で合宿を打ち上げた。高田裕司監督(日本協会専務理事)は「1人、ちょっとしたけがをしているだけで、順調な仕上がり。最低でも55、60kg級でメダルを取り、できれば金メダル。(オリンピック翌年で)強豪が出ていないので、チャンスは大きい」と話した。

 重量級でも、96kg級の山口剛(ブシロード)は体格的にも世界で闘える素材だとし、軽中量級に劣らない成績を求めた。

 グレコローマン・チームは、11日午後に集合し、最後の調整練習へ入った。西口茂樹監督(拓大教)は「新階級の案が発表されたが、まだ決定ではない。得したとか、厳しいとか、よけいなことは一切考えず、目の前の闘いに全力を尽くせ」と、今回の世界選手権への集中を要望した。

 この日は両スタイルとも報道陣に練習を公開し、決意を表明した。女子の活躍に世間の関心が集まっているが、男子も2006年の世界選手権(中国)以来。7年間にわたって世界選手権とオリンピックでメダルを取り続けている。伝統を受け継ぐべく、気迫あふれる決意で世界選手権への思いを話した。

 フリースタイルは12日、グレコローマンは16日に現地へ向かう。


 《男子フリースタイル》

 ■55kg級・稲葉泰弘(警視庁)「3年前に出場した世界選手権では銅メダルを獲得したので、今回は必ず金メダルを獲得できるように頑張りたい」

 ■60kg級・前田翔吾(クリナップ)「世界選手権に臨むにあたり、『伝統を守っていほしい』と言われる一方、『気負うな、プレッシャーを感じスにやれ』とも言われる。すべてを背負って、プレッシャーを感じて、それをぶち破って金メダルを獲得したいと思う」

 ■66kg級・井上貴尋(東京・自由ヶ丘学園高教)「昨年のロンドンで米満さんが金メダルを取って注目される階級。恥じないよう、メダルを目指して頑張ってきたい」

 ■74kg級・高谷惣亮(ALSOK)「2020年東京オリンピックが決まり、レスリングの存続も決まり、流れがきていると思う。ロンドン・オリンピックで受けた屈辱を、世界選手権では倍返ししたい」

 ■84kg級・松本真也(警視庁)「前回出場したトルコの大会では3回戦で終わってしまったので(注=正確には4回戦)、それ以上の結果を出せるように頑張りたいと思います」

 ■96kg級・山口剛(ブシロード)「初出場ですが、得意の片足タックルでメダルを取れるように頑張ってきたいです」

 ■120kg級・荒木田進謙(警視庁)「日本の重量級が強いと言うことを世界に知らしめるために頑張ります」

 ■大澤友博コーチ(茨城・霞ヶ浦高教)「7人の選手全員が入賞できるためのサポートしていきたい。高校の強化委員長をやっているので、2020年に向けて、どういう課題でやっていかなければならないか、そうしたことも見て帰り、高校の選手に伝授したい」

 ■和田貴広コーチ(国士舘大教)「7人の選手が実力を出し切れるよう現地で全力を上げてサポートしたい」

 ■田南部力コーチ(警視庁)「選手が全力で試合の臨めるようマットに送りだすのがコーチの役目。全力でサポートしたい。あわせて、各国の選手の情報を得て分析し、リオデジャネイロ・オリンピックにつながるような大会にしたい」

 ■松永共広コーチ(専任コーチ)「全員がいい試合できるよう、バックアップしていきたい」

 ■高田裕司監督(山梨学院大教)「メダルを取りたいと言う言葉も出てきて、選手達の決意に心強い気持ちになった。取らせてやりたいという気持ちでいっぱい。レスリングの存続が決まり、レスリング界はホッとしていることろだが、選手達はホッとする間もなく自分の目標に向かって頑張ってくれるものと思います」

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 《男子グレコローマン》

 ■55kg級・田野倉翔太(クリナップ)「初めての世界選手権ですが、自分の力を出し切ってメダルを取ってきたい」

 ■60kg級・倉本一真(自衛隊)「これから試合までの間にコンディションづくりをしっかりやり、練習でやってきたことを出せるように頑張ってやってきたい。メダルを取ってきたい」

 ■66kg級・清水博之(自衛隊)「初めての世界選手権なので何も分からないのですが、全力を出し切り、自分のレスリングを貫いてメダルを取ってきたいと思います」

 ■74kg級・金久保武大(ALSOK)「3度目の世界選手権ですが、過去2回はメダルを取れていない。3度目の正直で表彰台に上がり、メダルを持ち帰りたい」

 ■84kg級・岡太一(自衛隊)「今回、大きなチャンスをもらいました。このチャンスを生かし。メダルを取ってきたい」

 ■96kg級・斎川哲克(両毛ヤクルト販売)「日本の重量級が強いところを見せられればいいと思います」

 ■120kg級・前川勝利(早大)「初出場ですが、ひとつでも多く勝って、上位に食い込みたい」

 ■豊田雅俊コーチ(警視庁)「西口委員長体制になってから、十分に強化を積んできた。自信をもって選手を送り出すことができる。一人ひとりが全力で闘えるようにサポートしていきたい」

 ■飯室雅規コーチ(自衛隊)「韓国の合宿、菅平の合宿、味の素トレセンでの合宿と、練習量は積んできている。全員が精いっぱいの力を出せるように頑張ってきたい」

 ■馬渕賢司コーチ(中京学院大監督)「シニアの世界選手権は初めて参加します。選手、コーチ、スタッフ、一丸となって取り組んできました。頑張ってきます」

 ■西口茂樹監督(拓大教)「指導者として世界選手権に参加するのは初めて。正直なところレベルが分からないが、アジア選手権、ユニバーシアードと見て、世界で闘える力はあると思う。今がスタート。7階級の最後の大会になると思うが、ベストを尽くしてメダルを取れるように頑張ってきたい」