※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=樋口郁夫) インターハイに続いて優勝した貝塚
この大会でも、96kg級までに霞ヶ浦勢で3位入賞の選手がおらず、グレコローマン王者に3年間のブランクができるかと思われたが、貝塚は「絶対に自分が取る」という気持ちでマットに上がったという。スタイルが違うとはいえ、インターハイ決勝からわずか2週間後の再戦に「研究されていてやりづらかった」そうだ。
試合は、山口のファイトあふれる突進が貝塚の顔を強打したりもしたが、感情的になることなく冷静に対処。リフトを仕掛けられた時は固い防御で守り切り、技を受けての失点なしで地力を見せた。
大会前に夏かぜをひき、調子はよくなかったという。それでも3回戦で全国高校選抜大会優勝の山本泰丈(埼玉・花咲徳栄)と顔を合わせ、3-2と競り勝ったことで優勝が見えてきた。「こんな調子でも優勝できたことはよかった」と、夏の2大会連続優勝は自信になったようだ。
このあとは国体で勝ち、全日本選手権にも出場して1勝でも挙げることが目標。差しての攻撃が得意なのでグレコローマンの方が好きだというが、スタイルはまだ決めていない。「どちらのスタイルであっても、もうかなり研究されている。新しい技を身につけ、(高校生活の)最後を頑張りたい」と燃えていた。