2013.08.23

【全日本学生選手権・特集】1年生王者の快挙にも、出てくる言葉は反省の弁…男子グレコローマン120kg級・園田新(拓大)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)

 全日本学生選手権の男子グレコローマン120kg級は、拓大のスーパールーキー、園田新が初優勝。2006年フリースタイル120kg級の荒木田進謙(専大)以来、史上19人目となる1年生王者が生まれた。

 大きな快挙を成し遂げた園田だが、決勝直後はまるで負けたかのように悔しがった。「前川さん(勝利=早大、世界選手権代表)が不在で、絶対に勝たなくてはいけない大会。勝つには勝ちましたが、内容がまったくダメ。西口先生(茂樹=部長)からもオリンピックを目指すのであればこんな試合じゃダメだ、と怒られました。今日の内容は30点です」。

 特に不甲斐なかったのは決勝だという。対戦相手の岡倫之(日大)は昨年の全日本選手権フリースタイル120kg級優勝の実力者。サンボのユニバーシアード予選ででも優勝するなど格闘技をするために生まれてきたような選手だ。簡単に勝てる相手とは思えないが、それでもフリースタイルを専門とする選手に苦しめられたのが納得いかないという。

 「フォールにいこうとしたところで逃げられて、そこから気持ちが続かなかった。相手の指をつかむとか、せこいことをしたりしてしまって…。接戦になってはいけない。西口先生に言われていたことがまったくできなかった」

 とはいえ、それでも優勝するのだから持っている能力はピカイチ。反省の弁を並べ立てた園田は「フリースタイルにも出るので、明日からきっちり切り替えます」とすぐに前を向いた。