※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫) 59kg級で圧勝優勝した村田夏南子
世界ジュニア選手権59kg級で優勝したモンゴルからの留学生、スヘー・ツェレンチメド(環太平洋大)が出場すると見越しての59kg級エントリーだったという。しかし、ツェレンチメドは63kg級に出場。これには拍子抜けしたものの、他の選手との実力の差を見せつけての優勝だった。
6月の全日本選抜選手権で吉田沙保里(ALSOK)にあと一歩及ばず世界選手権出場を逃した。7月にロシアで開かれたユニバーシアードは銅メダル。2回戦で試合終了間際に逆転負けを喫し悔しい思いをした。
「ポイントを与えずに攻め続けるレスリングを目指していたけど、ユニバシアードではラスト数秒で負けてしまった。帰ってからは試合を反省し、ラスト数秒、ばててからを想定した練習をした」
迎えた今回の大会では、ラストまで争うような接戦はなかったが、練習してきたことをいろいろと試すことはできた。「前に出て詰めていくレスリングをしようと心がけた。反省点もたくさんあった」が試合後の感想。具体的には「タックルの練習をしてきたけど、タックルに入るまでがなかなかいけない。ずっと動きが硬い感じだった」と課題を挙げた。
次の目標は12月の全日本選手権となる。国際レスリング連盟(FILA)は2016年リオデジャネイロ・オリンピックの女子の実施階級を2階級増やすことを決めており、早ければ10月には新階級が決まる。村田の出場する階級が変わる可能性もあるが、村田にとって“打倒吉田”の目標は譲れない目標。
学生の大会で勝利したとはいえ、全日本選抜選手権とユニバーシアードの敗北を思い出し、「やることはたくさんある」。発展途上の20歳はトレーニングに明け暮れるだろう。