※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫) 青山学院大から5年ぶりの王者となった菊池
菊池は準々決勝で星翔也(日体大)に苦戦を強いられたものの、それ以外はすべて3分以内でフィニッシュ。会心の試合内容もあって「今日は足がよく動いて調子が良かった。最後の年に学生タイトルが取れてうれしい」と満面の笑みを浮かべた。
茨城・霞ヶ浦高から青山学院大に進み、2年生でJOC杯ジュニアオリンピックで優勝。その後も全日本選手権で3位に2度入るなど地力はあったが、最終学年になるまで学生タイトルには無縁だった。消化不良の試合も多く実力を出し切れていない印象があった。
躍進の理由のひとつは、5月のルール改正だという。「もともとスタンドで攻めるのが得意なので、ルールが変わって思い切って攻められるようになった。以前は警戒されてスタンドで逃げられ、グラウンドに持ち込まれることが多かった」と分析する。
「スタミナがもっとつけば、このルールで十分にやっていけそう」と、今回の優勝ですっかり自信をつけた様子。勢いの出た青学大グレコローマンのエースは、「これから出場するすべての大会でいい成績を収めたい」と、有終の美に向かって全力を挙げるつもりだ。