※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
【ソフィア(ブルガリア)、ビル・メイ】昨年のロンドン・オリンピック女子55kg級決勝で吉田沙保里(ALSOK)と闘い、銀メダルを取ったカナダのトーニャ・バービックがカナダ・チームのコーチとして来場していた。
2008年北京オリンピック48kg級で金メダルを取ったキャロル・ヒュンと並びカナダを代表する女子レスラーだったバービックに、オリンピックの階級問題などを聞いた。
――今回はカナダのコーチとしての参加ですか?
バービック「私は今、カナダ・レスリング協会のタレント発掘コーチをやっています。才能のある選手、将来性のある選手を発掘することが仕事です」
――選手は引退したのですか?
バービック「今年の3月に正式に引退しました。でも、ロンドン・オリンピックの前から、これが最後のオリンピックだと決めていました」
――国際レスリング連盟(FILA)の決めた女子の2階級増について、どう思いますか?
バービック「レスリングをやっている女子選手にとって、とても喜ばしいことです。長い間、(7階級のうち4階級しかオリンピックで実施されないことへの)変更を望んでいました。階級が増えることは、とても前向きな改革だと思います。レスリングは間違いなく前進しました」
――もし、オリンピックの階級が増えていたら、55kg級以外で闘いましたか?
バービック「それはありません。55kg級が私の階級でした。55kg級で闘えたことが幸せでした」
――その場合、吉田沙保里には他の階級で闘ってほしかったですか?
バービック「それもありません。アスリートは自分のベストを尽くすことを望み、挑戦します。私は55kg級で闘え、サオリと闘えたことが幸せでした」
――FILAが(女性委員会を新設するなど)女性の役割を増やしていくことを、どう思いますか?
バービック「女性の声をFILAに届けることは、とても重要なことだと思います。FILAの中で女性が活躍し、意思決定機関に携わることは絶対に必要だと思います。それは、レスリング(の発展)に大きなサポートとなります」