※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
今年の世界選手権出場を確実にしたナタリア・ボロベワ(写真はロンドン・オリンピック)
ボロベワはロンドン・オリンピックのあと、11月にはマットに復帰。今年1月の「ヤリギン国際大会」(ロシア)、2月の「クリッパン女子国際大会」(スウェーデン)、3月の欧州選手権(グルジア)と優勝を重ねて強さを見せた。
しかし、6月のロシア選手権で2011年世界選手権2位のエカテリナ・ブキナに黒星。ブキナは7月のユニバーシアードで優勝し、ロシアの世界選手権代表争いが混とんとしていた。両者はともにポーランド・オープンに出場することになり、ロシア女子チームのユーリ・シャクムラドフ監督は「この大会の結果で世界選手権の代表を決める」と伝えていたという。
両者は2回戦で対戦し、ボロベワがフォール勝ち。ボロベワは準決勝でユニバーシアード3位のエリカ・ウィーブ(カナダ)に7-8で敗れて3位に終わったものの、ブキナとの決着がついたことで世界選手権の代表に選ばれる公算が高くなった。
今大会の前には、7月のスペイン・グランプリ(スペイン)とオリンピア国際大会(ギリシャ)でも優勝しており、3大会連続の国際大会優勝。
ボロベワはロシア・レスリング協会のホームページで、準決勝で負けたことについて、「ブキナとの試合に勝ったあと、気持ちが盛り上がらなかった。油断でした」と振り返った。国際オリンピック委員会(IOC)が女子の階級を6階級にする決定を下したことに関しては、「とてもうれしい。正しい決定だと思う。女子のレスリングは、決して男子のレスリングに劣っていない。これからは、オリンピックのマットで女子選手がさらに躍動する。それは多くの選手のモチベーションになって、女子レスリングの発展につながと思います」とコメント。
新しい階級は全体的に上がると考えており、最重量級は「76kg」と予測。そうなった場合、ライバルのブキナはひとつ下の階級で闘うと予測し、「ロシア・レスリング界のためにはそれがいい」と話した。