2013.08.12

吉田沙保里、伊調馨(ALSOK)とも階級を下げる可能性を示唆

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

国際オリンピック委員会(IOC)理事会の決めた2016年リオデジャネイロ・オリンピックの女子2階級増に関し、オリンピック3連覇の吉田沙保里と伊調馨(ALSOK)は8月11日、全日本ビーチ選手権の行われた茨城・大洗町で、ともに女子レスリングの普及と発展の面から歓迎の気持ちを表すとともに、リオデジャネイロ大会へ向けて階級を下げる可能性を示唆した。

 吉田は「うれしいです。今までは7階級のうち(オリンピック実施は)4階級で、出たくても出られない人もいた。この決定で気持ちの盛り上がる選手が多くいると思う」と話した。

 2002年に今の階級区分になって以来、常に闘ってきた55kg級は「消滅するでしょう」と予測。その場合、階級を上にするか下にするかの選択を迫られるが、今でも55kg級の選手としては小さい方で、「上げるのはきつい。2、3kgくらい下の階級だったら、下げると思います」と言う。

 51kg級で闘ってきた選手との初対戦も出てくるわけだが、「新鮮味があって面白いでしょう」と、ひとつの刺激材料として受け止める構え。「ルールが変われば、新しいルールに合わせて練習する。階級も同じ。合っている、合っていない、じゃなく、その階級に合わせて体をつくっていくべきです」との持論を展開した。

 階級を下げる可能性を口にしたのは伊調も同じ。吉田と同じく世界の63kg級では軽い方で、「1kgくらい下になってくれるのがうれしい」と言う一方、現在は練習が終わって体重が60kg近くにまで下がることもあるそうで、例えば60kg級と67kg級という階級区分になったら、問題なく60kg級を選択するという。

 階級増については、「女子としてはうれしい。7階級のうち4階級しか(オリンピックで)実施されなかったことで、無理していた人もいた。これからは、自分の階級でオリンピックを目指せることになる」と、4年に1度の“変則出場”の解消を歓迎した。

 新しい階級区分は、9月16~22日の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)期間中に行われる国際レスリング連盟(FILA)の理事会で決定される予定で、FILA副会長の福田富昭・日本協会会長は「男子の軽量級をなくさないよう、水面間で働きかけていく」と話した。