※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=増渕由気子) 快挙達成の成國といなべ総合の藤波俊一監督
ルーキーながら優勝候補に挙げられていた成國は、その期待に応えるかのように勝ち上がった。「高校生は力も強いし、中学時代とは違う」と失点することもあったが、準決勝までは全試合フォールかテクニカルフォール勝ちと怪物ぶりを発揮した。
決勝戦は、学校対抗戦でも対決する可能性がある霞ヶ浦(茨城)の高橋との対戦だった。試合が始まると、果敢に攻めてポイントを重ねたのは高橋だった。成國は「スピードがあり、反応できませんでした」と、何度もタックルに入られて失点。かろうじてタックルを切ってバックに回ったりなどのカウンター攻撃で反撃するが、点差は開く一方だった。
優勝を決め、藤波監督に抱きついた成國
「中学3連覇だからインターハイも3連覇できる」という周囲のプレッシャーの中での優勝を決め、「うれしいです」と笑顔。だが、スーパールーキーは個人優勝だけでは満足できない。「あとは(学校対抗戦との)ダブル優勝です。監督にも個人より団体だと言われているので」とすぐさま団体戦に気持ちを切り替えていた。