※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
7月25~28日にモンゴル・ウランバートルで行われたアジア・カデット選手権で、女子が国別対抗得点で6年ぶりに優勝を遂げた。
シニアでは世界一が“ノルマ”という日本女子が、アジアのカデットで5年間も優勝から見放されていたことに「?」と思う人もいるだろう。これは、10階級フルエントリーしていなかったための現象。この間、優勝した階級は2011年を除いて5階級、または6階級あり、不参加の階級の「得点0」が響いた結果。
アジア・カデット選手権の女子は2003年からスタートしたが、10階級すべてに出場した4度の大会は、いずれも優勝している。この部門でもアジアのトップを占めていることは間違いない。
ただ、2011年は2階級の優勝で(他に銀2、銅2)、得点は62点。仮に派遣なしの2階級で優勝したとしても得点は82点。優勝したインドの87点には及ばないので、この年はアジア一を転落した年だっただろう。
今年の国別対抗得点は、シニアのアジア選手権で2位だったが、主に2番手を派遣したアジア・ジュニア選手権とアジア・カデット選手権では、ともに優勝という好成績。若手選手の順調な成長が示された。
このあと、8月と9月で3部門の世界選手権が行われる。5月の国際レスリング連盟(FILA)の臨時総会のあと発表されたルールでは、カデットは大陸選手権までの実施となっていり、世界選手権は行われない公算が強い(注=ただし、FILAのカレンダーでは2014年はスロバキア開催となっている)。
2011年に世界カデット選手権がスタートした後、同年はシニアとジュニアで世界一だったものの、カデットは2位。2012年はジュニアとカデットで優勝したものの、シニアが2位だった。世界カデット選手権が開催されるうちに、ぜひとも“国別対抗得点の世界三冠王”の偉業を達成してほしいものだ。
■アジア・カデット選手権の日本成績
年 | 開催地 | 階級数 | 出場数 | 国別順位 | 金 | 銀 | 銅 | 優勝国 |
2003年 | 台湾・台中 | 10 | 4 | 3位 | 2 | 2 | 0 | 台 湾 |
2004年 | キルギス・ビシュケク | 10 | 8 | 4位 | 3 | - | 4 | カザフスタン |
2005年 | 茨城・大洗町 | 10 | 10 | 優勝 | 6 | 3 | - | 日 本 |
2006年 | タイ・バンコク | 10 | 10 | 優勝 | 6 | 4 | - | 日 本 |
2007年 | 台湾・台中 | 10 | 10 | 優勝 | 9 | 1 | - | 日 本 |
2008年 | ウズベキスタン・タシュケント | 10 | 8 | 3位 | 6 | 0 | 1 | インド |
2009年 | インド・プネ | 10 | 8 | 2位 | 6 | 2 | - | インド |
2010年 | タイ・バンコク | 10 | 8 | 2位 | 5 | 1 | 2 | カザフスタン |
2011年 | タイ・バンコク | 10 | 8 | 4位 | 2 | 2 | 2 | インド |
2012年 | キルギス・ビシュケク | 10 | 8 | 2位 | 5 | 3 | - | カザフスタン |
2013年 | モンゴル・ウランバートル | 10 | 10 | 優勝 | 5 | 1 | 1 | 日 本 |
■各部門の世界&アジア選手権の国別対抗得点成績
年 | シニア | ジュニア | カデット | |||
世界 | アジア | 世界 | アジア | 世界 | アジア | |
2003年 | 優勝 | 優勝 | 4位 | (実施せず) | (実施せず) | 3位 |
2004年 | (実施せず) | 優勝 | (実施せず) | 優勝 | (実施せず) | 4位 |
2005年 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | (実施せず) | 優勝 |
2006年 | 優勝 | 優勝 | 7位 | 優勝 | (実施せず) | 優勝 |
2007年 | 優勝 | 3位 | 12位 | 2位 | (実施せず) | 優勝 |
2008年 | 優勝 | 優勝 | 2位 | 2位 | (実施せず) | 3位 |
2009年 | 2位 | 2位 | 3位 | 3位 | (実施せず) | 2位 |
2010年 | 優勝 | 2位 | 3位 | 2位 | (実施せず) | 2位 |
2011年 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | 2位 | 2位 | 4位 |
2012年 | 2位 | 2位 | 優勝 | 優勝 | 優勝 | 2位 |
2013年 | 2位 | 優勝 | 優勝 |