※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=増渕由気子) 男子の部でのV3を含めて4連覇の伊藤
だが、女子が男子の部にエントリーすることは可能で、過去にも女子で男子の部を数年に渡って優勝した選手は数名いる。伊藤も大会4連覇に加え、男子の部で3連覇を決めて見せた。
決勝戦の山口太一(鳥羽ジュニア)との決勝は、バックを奪うとすぐさまローリングに移行し、鮮やかに得点を重ねて勝利した。優勝を決めた伊藤は、男子の部に出場する理由を、「特にないけど、男の子に勝って優勝した方がうれしいから」とはにかんだ。
決勝で闘う伊藤(赤)
だが、親御さんの心境は複雑だ。母親は「中学になったら女子だけで試合をする。その準備もあるから、そろそろ女子の部にと言っているんですが…。ぜんぜん聞かないの(笑)」。母親いわく、「見た目、弱そうって言われるんですが、マットに上がるとすごく気が強いんです」と天性の勝負勘があるようだ。
現在5年生で、来年も男子の部での出場資格がある伊藤。最近は練習で男子のパワーに押されて「点数を取られることもある」という。それでも「練習で男子に勝っていたら、来年も男子の部に出たい」と、果敢に挑戦する姿勢を見せた。