※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(取材・撮影=保高幸子)
世界選手権(9月16~22日、ハンガリー・ブダペスト)へ向け、女子の全日本チームが7月22日から今年初めてとなる桜花道場(新潟・十日町)での合宿をスタート。大学の試験期間と重なり、世界選手権の代表は社会人の3選手のみの参加となったが、世界カデット選手権の代表も含めて総勢21選手が集まった。
23日に報道陣の公開練習が行われ、多くのマスコミが取材に訪れた。今回公開されたのは、名物となった“金メダル坂”での過酷なトレーニング。登り坂でのダッシュ、手押し車、2人を背負うなどで約1時間半、汗を流した。トレーニング中に吉田沙保里(ALSOK)が「マスコミさんも挑戦してみてください!」と声をかけるなどの場面も。
金メダル坂でのトレーニングを初めて見た記者の中には、「こんなきつい練習をやっているのか」という感想が多くあった。
練習後の囲み取材では栄和人・女子強化委員長(至学館大教)が「(東京の)味の素トレーニングセンターでは、こういった坂道を走って追い込む練習はできない。代表が決まったところでこの合宿を入れた。選手も疲れるとは思うが、新ルールでは試合時間が3分となったのでスタミナが必要。精神的にも鍛えられるだろう」と話した。
合宿は27日(土)まで。女子代表の合宿は8月15日から再び桜花道場で行なわれ、世界選手権前の最終合宿は9月初頭に味の素トレセンで行なわれる。
■女子55kg級・吉田沙保里(ALSOK)「こういう追い込みは体力アップにつながるので、メリハリを持って、一本でも1位をとる気持ちでやっています。脚も腰も背中も全部鍛えられた、という気持ちです。技術では、6月の全日本選抜選手権でコーチ陣に「崩しやフェイントが少なくなっている」と言われたので、省エネレスリングではなくフェイントなど付随した技術をしっかりやりたいです。十日町のいつも応援して背中を押してくださる皆さんがいることに感謝しています。金メダルをとって喜んでもらいたいです」
■女子63kg級・伊調馨(ALSOK)「世界選手権に向けては組み手や崩しなど、細かい技を練習しています。男子とか女子とかにかかわらず、出げいこに行くいろんな所で技を教えてもらい吸収しています。毎日目標を決めて、ひとつひとつ技を磨いています。十日町での合宿は、走って追い込める。体力向上という点で、もっと上を目指せると思っているので、手を抜かずにやっています。ご飯もおいしいので、ここに合宿に来るといつも太って、体力向上して帰ることができます」
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