2013.07.14

男子両スタイルの全日本チームが合宿をスタート

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 世界選手権(9月16~22日、ハンガリー・ブダペスト)の代表選手を含む男子両スタイルの全日本チームが7月13日、東京・味の素トレーニングセンターで合宿をスタートした。

 現在ロシアで行われているユニバーシアードの代表は不在で、世界選手権代表の中にも勤務や授業等の都合で参加できない選手もおり、選手のレベルも数も通常の合宿に満たない合宿となったが、高田裕司強化本部長(山梨学院大教)は「パートナーが少なく、練習相手が強くなくても、息を上げる練習はいくらでもできる。息の上がらない練習は無駄な練習だ」と、自ら厳しさを求める姿勢を要求。

 選手はまだ3分2ピリオドのスパーリングに慣れておらず、多くの本数をこなす段階には至っていないが、「(優勝するには)1日に5、6試合も闘わなければならない。徐々にスパーリングの本数を増やしていくように」と、世界選手権までの課題を課した。

 技術練習では、高田本部長が率先して「またさき」の技術指導を行った。世界のトップ選手同士の対戦では簡単にかかる技でないことに加え、スタンド戦で見合うことの多かった2分3ピリオドのルール下では、ごくまれにしか見ることのできなくなった技だが、高田本部長は「かける方は息を整えられ、受ける方はスタミナをロスする技」として、新ルール下では有効な技と説明。日本伝統のスタミナで勝つパターンに持ち込むためのひとつの戦法として活用を求めた。

 スパーリングでは、世界選手権代表選手にはコーチがついて随時アドバイスをとばすこととし、選手がそれに対応できるようになることを要求した。セコンドが試合の流れや相手の体勢を見て適当なアドバイスをとばしても、選手がそれに対応できなければ意味はない。セコンドの指示に対して即座に反応できるだけの体力や技術を求める一方、コーチにも選手の個性を見極めて正しいアドバイスができる指導力の必要性を口にした。

 日本列島は連日猛暑が続いており、高田本部長が監督を務める山梨学院大ではいつもより練習時間を短くしたというほどの異常気象。しかし、味の素トレーニングセンターはエアコンが完備しており、午前の屋外トレーニングを30分早めて9時開始にする配慮はしたが、猛暑の影響は少ない。

 高田本部長は「快適な練習空間で十分な練習をやり、食事をしっかり摂って体力を戻してほしい」と話し、夏本番へ向けての体調管理を求めた。合宿は18日まで行われる。


リフト技の練習をするグレコローマン60kg級代表の倉本一真(自衛隊)

山梨学院大の留学生ボルチン(カザフスタン)と練習するフリースタイル120kg級の荒木田進謙(警視庁警察学校)。今年、旧ソ連対策は万全か?

今年の世界選手権はともに縁がなくなったが、米満達弘(自衛隊=右)と石田智嗣(警視庁)の激しいスパーリング

ロンドン・オリンピックのあと、けがの治療のため休養していたグレコローマン66kg級の藤村義(自衛隊)。いよいよ再始動か?