※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
三者リーグで2勝し、世界選手権の代表となった宮原
宮原はJOCアカデミーの第一期生で、今年3月に卒業。同アカデミーから、すべての競技を通じて初の世界選手権代表となった。東洋大の現役選手としては、1997年の足立美穂(51kg級)以来16年ぶりの出場。卒業生を含めれば1999年の清水真理子(56kg級)以来。
今年の女子の世界選手権代表は、全日本選抜選手権の結果と過去の実績、合宿での内容などを考慮して強化委員会で選考する方式がとられた。51kg級以外の代表はスムーズに決まったものの、同級は昨年12月の全日本選手権優勝の菅原ひかり(至学館大)、全日本選抜選手権優勝の入江ななみ(東洋大)、2大会で2位だった宮原優(東洋大)の3選手で参考試合を行うことになった。
栄和人・女子強化委員長(至学館大教)は「全日本選抜選手権優勝の入江は国際大会の実績がなく、この面では宮原の方が上。しかし、負けて日本代表にするようことはしたくなかった。全日本チャンピオンの菅原にもチャンスをやる必要があった。正規の審判員3人をつけたうえで試合をやらせることにした」と経緯を説明。参考試合としているものの、勝者が代表となることを決めていた。1勝1敗の三つ巴になった場合は、もう一度リーグ戦を行い、それも1勝1敗となった場合は、強化委員会で選考する方式で実施した。
入江を片足タックルで攻める宮原(青)
宮原優の話「ずっと世界選手権出場を目指してきました。(2011・12年に失敗し)3度目の正直で世界選手権出場ができたことはうれしいですけど、ここから練習量を上げて世界で通じる力を身につけなけれなならないと身が引き締まる思いです。全日本選抜選手権で負けた時は、『もう行くことができない』と思いましたが、何時間かあとにチャンスをもらえることを聞きました。本来なら出場できない試合ですので、チャレンジャー精神で行きました。(入江に)負けたけど、負け続けていたわけではないので、気持ちをしっかり持てば勝てると信じていました」
■女子51kg級・世界選手権代表決定参考試合
入江ななみ(九州共立大)○[Tフォール、1P2:52(10-3)]●菅原ひかり(至学館大)
宮原優(東洋大)○[6-2]●菅原ひかり(至学館大)
宮原優(東洋大)○[Tフォール、2P4:45(8-0)]●入江ななみ(九州共立大)
![]() 第1試合は入江(青)が菅原をテクニカルフォールで下す |
![]() 第2試合は宮原(赤)が菅原を下し、第3試合が“決勝”へ |