2013.06.17

男子14階級で世界選手権代表が決定、7月末には韓国遠征で強化

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 全日本選抜選手権の終了後、日本協会の高田裕司専務理事が囲み取材に応じ、昨年12月の全日本選手権と今大会の2大会で優勝した選手、および優勝者が異なる階級はプレーオフを制した選手の、計14選手を9月16~17日の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)の男子の日本代表とすることを発表した。下記の通り。

 【男子グレコローマン】
▼55kg級 田野倉翔太(クリナップ)
▼60kg級 倉本一真(自衛隊)
▼66kg級 清水博之(自衛隊)
▼74kg級 金久保武大(ALSOK)
▼84kg級 岡  太一(自衛隊)
▼96kg級 斎川哲克(両毛ヤクルト販売)
▼120kg級 前川勝利(早大)

 【男子フリースタイル】
▼55kg級 稲葉泰弘(警視庁)
▼60kg級 前田翔吾(クリナップ)
▼66kg級 井上貴尋(東京・自由ヶ丘学園高教)
▼74kg級 高谷惣亮(ALSOK)
▼84kg級 松本真也(警視庁) 
▼96kg級 山口  剛(ブシロード)
▼120kg級 荒木田進謙(警視庁警察学校)


 この日、日本協会の理事会はなかったが、6月1日の理事会で代表選考方法が承認されていた。女子については、全日本合宿での内容も考慮しながら、女子強化委員会が決め、理事会で承認する。

 同専務理事は、女子55kg級決勝で辛勝した吉田沙保里(ALSOK)に関し、「オリンピック除外問題で(練習時間を割いてしまい)、協会としては本当に申し訳ないと思っている。9月の世界選手権に向けて戦闘モードに入ってほしい。9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会のロビー活動には行かせません」と話し、吉田選手に配慮した。

 男子の世界選手権代表が出そろい、男子フリースタイルの強化委員長でもある同専務理事は「(ロンドン・オリンピック金メダリストの)米満達弘選手の名前がないことが残念。現在の状況ではエースがいない。メダルは厳しい状況」と話した。ただ、「3分2ピリオド制は日本人に有利なルール。スタミナが必要になってくるが、実力のある選手が勝つルールになった」と分析し、世界選手権での活躍を期待した。

 世界選手権へ向けての強化方針では、今月22日から始まる全日本合宿で新しい試みを持つことを発表した。「参加選手には宿題を出しました。これまでは、こちら(指導陣)から、一方的に指導しているだけでしたが、今回からは各選手に全日本合宿で何をしたいかを個別に書き出してもらい、それに対応していくようにしたい」と、各選手の意思に合わせた対応を取り入れることを明らかにした。

 また、両スタイルで7月末から8月上旬まで韓国遠征を計画していることを明らかにした。

(取材=増渕由気子)