2013.06.16

【全日本選抜選手権最終日・特集】準優勝選手・注目選手の声

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(取材=増渕由気子、渋谷淳、三次敏之、小林岳人)


 ■男子グレコローマン66㎏級・松本隆太郎(群馬ヤクルト販売=ロンドンオリンピック60㎏級銅メダリスト。階級を上げて復活参戦するも、左ひざを痛めて準決勝を棄権)「計量の2日前にスパーリングでひざを痛めた。ひざが動かない状態でしたが、強化委員会推薦の枠での出場なので、試合には出ました。階級を上げて試合に出て、少し手ごたえはつかめたと思う。(2回戦で全日本王者の清水博之に勝利)オリンピック前から一番一緒に練習をしてきた選手。完勝というわけではなかったし、自分はまだ66㎏級の体ではない。しっかり体を作って66㎏級で12月の全日本選手権を目指したい」


 ■男子グレコローマン96㎏級・山本雄資(警視庁=準決勝で全日本選手権2位の大坂昴を下すも、決勝で斎川哲克に完敗)「(全日本選手権のある)12月まで時間があるので、スタンドを磨いて、斎川さんに勝てるよう練習します。(新ルールに関しては)どれくらいでコーションを取られるのか分からなかった。今後は、ただ攻めるだけではなく、相手がコーションを取られるような技術も必要かもしれない」


 ■男子グレコローマン96kg級・大坂昴(早大=昨年優勝。準決勝の山本雄資戦で1-7と完敗)「ルール改正があったことで、スタンドで攻めることばかりを考えていたら、第1ピリオドでばててしまいました。調整不足と言われてしまったら、それもあるかもしれません。昨年の王者というプレッシャーはなかったです。昨年の大会は齋川(哲克)さんが出場していない大会でしたから。今大会で齋川さんを倒して、真の意味でのチャンピオンだと思っていました。でも、決勝にいくまえに敗れてしまってはダメです。もう一度やり直します」


 ■男子グレコローマン96kg級・有薗拓真(ALSOK=2011年世界選手権代表。準決勝で斎川哲克にテクニカルフォール負け)「オリンピアンは強いですね。練習不足で体力、技術が落ちています。今回は2週間前から山梨学院大で合宿しましたが、ふだんは週1回程度、育英高校に通って練習しています。一発何か決めたいと思いましたが、元々実力が上の相手に加え、練習不足では…。(働きながら試合に出ることについて)。仕事しながら勝つ方がかっこいいと思いますし、モチベーションになっています。会社の方も応援してくれています」


 ■男子フリースタイル60kg・高塚紀行(自衛隊=決勝で高谷大地に6-11と逆転負け)「自分が相手を処理しながらポイントを取り切れなかった。しっかりポイントを取るレスリングをしないといけない。試合前、コーチから『しっかり自分の組み手で最後までやり通せ』という指示をいただいていたのですが、できなかったです。ルールの改正は自分にとっては悪くないと思っていましたが、点の取り合いということに関して、もう少し考えて練習します」


 ■男子フリースタイル60級・池田智(日大=昨年は高塚紀行を破って優勝。今回は高塚に敗れ3位)「(高塚との)差が出ました。相手の方が気持ちも入っていて、気持ちの面でも負けました。先に点を取りたかったのですが…。スタートダッシュで1点目を取りにいかないといけませんね。(昨年の全日本選抜選手権で優勝してから)病気で2カ月程棒に振って、気持ちが切れてしまった面もありました。今日は6分間戦える体力がなかったのでスタミナを強化したいです」


 ■男子フリースタイル66kg級・石田智嗣(警視庁=決勝、プレーオフともに井上貴尋に連敗)「自分のレスリングを封じられてしまいました。相手のペースで試合をしてしまった。自分の持ち味としては、離れた状態で仕掛けていきたかったのですが、組み付かれてしまって自分のペースがつかめませんでした。決勝戦で敗れて気持ちの切り替えはできていたつもりですが、できていなかったのかもしれません。ルールが改正されたことで、スタミナも要求されると思ったので、スタミナを強化する練習も積んだのですが、自分が思っていた以上に研究されていたのかもしれません。全日本選手権に照準を絞って、練習をやり直します」


 ■男子フリースタイル66kg級・田中幸太郎(阪神酒販=昨年優勝だが、全日本王者の石田智嗣に1-3で敗れる)「チャレンジャーの気持ちで臨みました。ルール改正はありましたが、やることは一緒なので、対応できることをやっていこうと思っていましたが、課題が残りました。体力面の強化とテイクダウンがもっとできるようにしないといけないです」


 ■男子フリースタイル84kg級・柴田寛(周南市役所=全日本選手権20度目の出場を目指すも、初戦敗退で出場資格取れず)「(相手の山本は)手の内を知り尽くした相手。新ルールになってスタミナに不安があった。試合では早い段階でリードして形をつくれたが後半足が止まってしまった。(今後の目標は)全日本選手権20度目の出場です。レスリングがまだまだできるのに辞める人が多い。自分が頑張る姿を見た若い人の励みになればと思います。全日本社会人選手権(7月6~7日)に向けてスタミナを強化していきます」


 ■女子55kg級・村田夏南子(日大=吉田沙保里を追い込みながら最後に逆転負け)「悔しいです。(吉田選手の)体力奪ってやろうと思ったのですけど、相手のフェイントに惑わされて、後半は自分が攻められている感じでした。(最後、リードしている場面で)守ろうとは思わず、攻めようと思っていましたが…。今年こそ、世界選手権に出てメダル取ってやろうと思っていましたが、最後の詰めが甘かったです」


 ■女子63kg級・渡利璃穏(至学館大=復帰してきた伊調馨に敗れて2位)「タックルに、入れても、そこから取り切れない自分がいるので、そこが甘いと思った。気持ちの面で攻めようと思っていました。絶対勝つ気持ちでやっていた。タックルに入ってから逃げられたのは、首の使い方とかが悪いのだと思うので、直していきたい。(前回闘った時より)成長したと少しは感じることができたので、次こそは1点でも取れるようにタックルを磨いていきたい」


 ■女子72kg級・飯島千晶(警視庁警察学校=72kg級へ上げて最初の大会で決勝進出も、優勝を逃す)「体重が全然足りずにパワーの差を感じてしまった。鈴木選手との力が全然違いました。階級を上げたのは、オリンピックを目指すなら、早いうちに階級を上げた方が、72kg級の力もつくし、対応もできると思ったからです。現在は、警察学校生で練習時間もあまりとれないけれど、10月に卒業予定なので、全日本選手権までに体を作って、力を付けて優勝できるようにしたい」


 ■女子72kg級・新海真美(アイシン・エィ・ダブリュ=けがからの復帰も、初戦で阿部梨乃に9-10で敗れる)「ルール改正も、久しぶりの実戦だったことも、何も関係ないです。自分が攻められなかったのが敗因です。全然ダメ。やり直します」