※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=増渕由気子)
6月1~2日に行われた関東高校大会と関東高校女子大会は、国際レスリング連盟(FILA)の最新のルール「3分2ピリオドのトータルポイント制の新ルールで行われた。石川県のインターハイ予選が5月31日に新ルールで実施されており、この大会が全国初の新ルールの大会と思われるが、地区レベルでは関東高校大会が全国初の試み。
試合進行は2分3ピリオド制の時よりも大幅に時間が短縮され、初日は午後1時半に予定試合が終了。最終日も午前中に試合が終わるというスピーディーな運営となった。
タックルが2点となり、多くの選手が果敢に攻撃スタイルに切り替えたのがその要因のようで、試合の多くが第1ピリオドでテクニカルフォール、もしくはフォールで決着する試合。第2ピリオドまでもつれるのが珍しいくらいで、FILAの目指す「アグレッシブなレスリング」が実践された形。
一方で課題も出てきた。試合進行が早すぎるため記録集計が追いつかなかったこと。さらに、多くの選手がフォールやテクニカルフォールで勝つため、学校対抗戦の得点争いで勝ち点が同じとなり、順位を決める基準がすぐに分からず、順位を出すのに非常に時間がかかってしまった。
6月8~9日は全国中学生選手権(茨城・水戸市)が全国大会としては初の新ルール大会として実施される。やはりアグレッシブなレスリングが展開されるか。