※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
今年の世界選手権(9月16~22日、ハンガリー・ブダペスト)の代表権をかけた明治杯全日本選抜選手権は6月15日(土)~16日(日)、東京・代々木第2競技場で行われる(男子の代表はプレーオフを実施して決定、女子は今大会の結果を参考に決定)。
国際レスリング連盟(FILA)が5月18日に決めた「3分2ピリオド、トータルポイント制」などの新ルールで行われる。2分3ピリオドというルールは8年半実施されており、出場する大半の選手にとって「1ピリオド3分」という試合時間は初体験のルール。
男子グレコローマンはスタンド戦の比重が大きくなり、闘い方はがらりと変わる。昨年までとは上位選手が一新する階級もあるかもしれない。
各階級の見どころをさぐってみた。
【女子72kg級】(6月16日実施)
全日本チャンピオンの鈴木博恵
昨年の決勝で鈴木と対戦し3ピリオドともクリンチにもつれた末に敗れた新海真美(アイシン・エィ・ダブリュ)は、秋に右ひざを手術して全日本選手権を欠場した。術後は順調に回復。実力を戻していれば対抗の一番手と考えられる。過去の対戦成績は、67kg級時代の対戦を含めて5勝2敗と勝ち越しているプラス材料もある。
2選手の争いに割って入りそうなのが、67kg級時代の2010年にアジア選手権(インド)で優勝した飯島千晶(警視庁警察学校)。国際大会および全日本レベルの大会での72kg級出場は初めてだが、昨年の全日本学生選手権の72kg級で優勝している。今年3月のW杯出場などの経験を生かして優勝争いに加われるか。
昨年2位で世界学生選手権(フィンランド)5位の吉井瑞江(至学館大)は、7月のユニバーシアード(ロシア)出場を前に好成績を残して弾みをつけたいところ。8月の世界ジュニア選手権(ブルガリア)出場を手中にしている阿部梨乃(日大)、昨年3位の新井明恵(法大)らがどこまで上位に食い込めるか。
昨年の全日本選手権表彰式。左から2位=吉井瑞江、優勝=鈴木博恵、3位=齋藤未来、阿部梨乃
鈴木博恵(クリナップ)
阿部梨乃(日大)
新井明恵(法大)
飯島千晶(警視庁警察学校)
齋藤未来(東京・安部学院高)
吉井瑞江(至学館大)
新海真美(アイシン・エィ・ダブリュ)
《2012年6月:全日本選抜選手権成績》
[1]鈴木博恵(クリナップ)、[2]新海真美(アイシン・エィ・ダブリュ)、[3]新井明恵(法大)、阿部梨乃(東京・安部学院高)
《2012年12月:全日本選手権成績》
[1]鈴木博恵(クリナップ)、[2]吉井瑞江(至学館大)、[3]阿部梨乃(東京・安部学院高)、齋藤未来(東京・安部学院高)
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■2012年12月21日: 【全日本選手権第1日】優勝選手・談話=鈴木博恵
■21012年9月30日: 【世界女子選手権第2日・特集】女子72kg級・鈴木博恵(クリナップ)