2013.05.28

福田富昭会長と吉田沙保里選手がIOC理事会へ向けて出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文・撮影=保高幸子)

5月29日にロシア・サンクトペテルブルグで行なわれる国際オリンピック委員会(IOC)理事会に向け、日本協会の福田富昭会長(国際レスリング連盟副会長)とオリンピック3連覇の吉田沙保里選手(ALSOK)が5月27日、成田空港発のアエロフロート航空で出発した。

 IOC理事会では、2020年オリンピックで実施される最後の1競技の絞り込みが予定され、レスリングは他の7競技と競合してプレゼンテーションが行なわれる。成田空港には多くの報道陣が詰めかけ、レスリング存続問題の関心の高さを表していた。

 2人はプレゼンテーションには参加しないが、会場に来場しているIOC委員らにロビー活動をする予定。福田会長は「いよいよ1回戦だという思い。人が投票するものなので、しっかりアピールしてIOC委員の気持ちを動かしたい。日本としては、およそ100万人に及ぶ存続嘆願の署名をいただいている。その気持ちを必ず届けたい」と話した。

3つの金メダルを持ってアピールする予定の吉田は「試合に向かうような気持ちです。子供の頃からオリンピックを目指して練習を重ねて来たからこそ3連覇を成し遂げられた。今、世界中の子供達が同じ夢を持って頑張っている。その夢とレスリングの歴史が断たれることのないように、という思いです。この言葉をIOC委員へ伝えようと覚えた英語で、精いっぱいアピールしたい。レスリングにとって大事な時なので、時間を作るのは苦ではありませんでした。頑張ってきます」と話した。

 ロシア協会からオリンピック3連覇のアレクサンダー・カレリンが参加予定。“霊長類最強コンビ”でレスリングの五輪存続に向けて働きかける。吉田はこの日のために英語のレッスンをしてきた。自分の言葉でIOC委員に訴えかける。