※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
全日本チャンピオンらのトップ選手や若手選手を中心とした全日本女子チームが5月8日、東京・味の素トレーニングセンターで今年度2度目の合宿をスタートした。
栄和人強化委員長(至学館大教)は、練習前にシンクロの井村雅代コーチの出版記念パーティーに出席して得た話をして、指導者の理想像を訴えた(右写真)。
“シンクロの母”と呼ばれている井村コーチは、日本チームを指導して1984~2004年に6度のオリンピック・コーチを経験。その後、中国のコーチとなり、ロンドン・オリンピックでは同国を過去最高の銀メダルに導いた。60歳を過ぎながらも、このほど英国のコーチに就任し、指導への情熱が衰えることのない姿勢に感銘したという。
「(井村コーチは)中国を強くしたことで日本から裏切り者扱いされながらも、選手を強くしたいという気持ちを強く持って結果を出した。自分も、みんなを強くしたいという気持ちを持って接していきたい」と選手に訴えた。
また、国民栄誉賞を受賞した元プロ野球選手の松井秀喜さんの言葉で「努力できることが才能である」という言葉を紹介。「才能とは素質ではない」と力説するとともに、父親から強く言われたことが「人の悪口を言うな」だったことを伝え、その姿勢を学んでほしいと訴えた。
補強練習でも「トップ」にこだわる吉田
トップ選手にとっては、6月15日(土)~16日(日)に行われる明治杯全日本選抜選手権(東京・代々木競技場第2体育館)にエントリーを済ませたあとの最初の合宿。オリンピック3連覇の吉田沙保里(ALSOK)も同大会に出場を明言し、「エントリーしたことで、やはり気が引き締まります」と、先月上旬の合宿とは違った気持ちで臨んだ合宿となった。
練習最後の補強トレーニングではトップを独走し、参加している中での最年長選手とは思えないような元気いっぱいの動きを見せ、「まだ若い選手には負けない、という気持ちでチームを引っ張ります。合宿は違うチームの選手と切磋琢磨できるいい機会。このまま6月へ向けて頑張ります」と話した。
合宿は15日まで行われる。
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