※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
練習前に高田裕司強化本部長があいさつ
参加したのは、同代表のほか7月のユニバーシアード代表、自衛隊、JOCアカデミーの選手で、通い選手を含めて約80選手。ロンドン五輪金メダリストの米満達弘(自衛隊)も、五輪後初めて全日本合宿に参加した。
4月からの強化スタッフによる初めての合宿。グレコローマンの西口茂樹部長(拓大教)は仕事の関係で欠席を余儀なくされたが、高田裕司強化本部長(フリースタイル強化委員長=山梨学院大教)が指揮をとり、選手に「2020年オリンピックの問題があるが、2020年のことより、2016年リオデジャネイロ・オリンピックのことを思って練習に打ち込んでほしい。2020年のオリンピックでもレスリングは実施されると思うが、リオデジャネイロを目指してほしい」と激励。
「オリンピックの金メダリストを脅かすくらい切磋琢磨してほしうい。全日本チームの選手は練習中にマットを下りないくらいの気持ちでやってほしい」と続けた。
また、味の素トレーニングセンターの使用にあたり、きれいに使うこやあいさつなど礼儀の徹底を呼びかけ、「ロンドン五輪で活躍をしたレスリングだからこそ、こうしたことをしっかりしてほしい」とリクエストした。
6面マットに約70選手が練習。次回はもっと多くの選手が参加予定
先月の欧州選手権(グルジア)で、ルール改正ではないが、警告などの面でルールの徹底化がはかられることになった。そこで、8日には日本協会の斎藤修審判委員長をまねき、ルールの講習をするそうで、「これまでより早くコーション(警告)が来ることを想定して練習してほしい」と伝えた。
今回は年度変わりの時期のため、学生選手の参加が少なかった。同強化本部長は「次の合宿(5月1~6日、同所)はもっと多くの選手が参加すると思うので、もっと盛り上がる」と、若手選手の突き上げによる活性化を期待した。
富山英明強化副本部長は「世界中が(除外問題で)混乱しているが、ロシアのプーチン大統領などもレスリングを支援しており、存続を信じてほしい。あっという間に4年間が経つ。必死にやってほしい」と注文した。
■米満達弘は全日本王者と激しいスパーリング
五輪後、初の全日本合宿参加となった米満は「新体制になり、ある意味で新鮮さを感じました。何をやるにしても緊張しました」と練習後の第一声。五輪金メダリストといえども、“新しいこと”に挑む時には緊張するものらしい。
五輪金メダリストの米満(右)と全日本王者・石田とのスパーリング
ただ、体力的にはもっと戻さなければならない状況という。「今はリハビリみたいな感じです。体というのは簡単には元に戻らないので、焦らず、しっかり計画を立てて戻したい」と話し、6月の全日本選抜選手権に照準を合わせて確実に体力を戻す腹積もりだ。
この日は全日本チャンピオンの石田智嗣(警視庁)とも激しいスパーリングをこなした。当面の敵との闘いは特に気合が入ると思われるが、「若手のだれが出てくるか分かりません。自分もそうだったと思いますけど、ある時、突然に強くなるのが若手。だれということではなく、自分の階級の選手はだれが相手でも気が抜けません」と話し、緊張を途切れさせることのない練習をこなしたことを強調した。
合宿は10日まで行われる。