※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=池田安佑美、撮影=飯島隆)
学校対抗戦3位入賞の日野
個人戦でも96kg級の園田平が、昨年の兄・新(120kg級)に続いての優勝を果たした。南敏文監督と北岡秀王コーチは、園田の個人優勝は順当勝ちとしながらも、団体の県勢初の快挙には、「くじ運がよかった」と組み合わせの利を強調し、謙虚な姿勢を見せた。
■合言葉は「園田にまわせ」…最重量級に絶対的エース
だが、現在全日本王者に登りつめている清水博之(グレコローマン66kg級=自衛隊)、倉本一真(グレコローマン60kg級=同)らが在学中の時にも果たせなかった3位入賞は価値がある。北岡コーチは「インターハイも含めてもベスト8が最高だったので、一つの形になったし、生徒たちも自信につながったと思う」と、選手たちをねぎらった。
優勝した園田と北岡コーチ(左)、南監督(右)
園田は「3-3で勝負が回ってきた時の緊張感は、個人戦のものとは全然違う」と振り返ったが、学校対抗戦、個人戦ともに全勝と大活躍。「個人戦で一人だけ優勝するより、チームでメダルを獲った方が全然うれしい。インターハイでは、個人と団体で活躍したい」と、学校対抗戦で獲得した銅メダルを個人戦の金メダルと同じくらい誇らしげにかざした。
■団体戦の好成績はチームの士気が上がる!
インターハイへ向けて奮戦が期待される日野の選手
エリート選手と素人選手の気持ちが離れすぎてしまうと、チームの士気が下がってしまう。しかし、学校対抗戦での3位により、「僕らもやればできるんだと思えるようになったと思う」と北岡コーチ。団体好成績による今後の一番のメリットは、インターハイに向けてチーム全体の士気が上がることだ。
園田の高校3冠王に向けて、そしてインターハイ上位入賞に向けて、日野が夏に向けていいスタートを切った。