※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
2人の五輪金メダリストが金メダルを国際オリンピック委員会(IOC)に返還したことに続き、2000年シドニー五輪フリースタイル76kg級金メダリストのダニエル・イガリ(カナダ)も返還寸前だったことが分かった。USAツデー紙が報じた。
ナイジェリア出身のイガリは、カナダ国籍を取得して同五輪でカナダ・レスリング界初の五輪金メダリストとなった。現在は母国ナイジェリアで議員をやっているが、今回のIOC理事会の2020年五輪からのレスリングの除外勧告に対し、2人の金メダリストに続くことを考えたという。
イガリは「オリンピックの金メダルは、私が最高に誇りに思うものです。しかし、それをIOCに返還することで、(レスリング存続の)手助けになるのであれば、即座に返還したでしょう」と話した。
金メダルはカナダの博物館にあり、手元になかったことで返還されることはなかったが、もし手元に持っていたら、3人目の五輪金メダル返還者になった可能性があったという。
その後、国際レスリング連盟(FILA)は「メダルの返還は意味をなさず、逆効果になる」として返還をやめるよう通達。イガリは返還の気持ちを捨てたそうだ。
今後はナイジェリアのグッドラック・ジョナサン大統領にも働きかけ、政治家としてロビー活動に力を入れるという。アフリカのIOC委員は115人中15人。