※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
ウクライナ・レスリング協会のエルブラス・テデエフ会長との会談で、「レスリングは実施競技に残ると信じている」とコメントした国際オリンピック委員会(IOC)理事のセルゲイ・ブブカ氏(ウクライナ)は、インドの通信社「インド・アジアン・ニュース・サービス」の取材に対し、レスリングの五輪競技からの除外勧告は国際レスリング連盟(FILA)の組織改革の遅れであることを指摘した。
IOCは理事会決議の明確な理由を示していないが、ブブカ氏は理事会での投票の前に行われた論議の概要を説明。FILAが重要なガバナンス(自らを健全に統治すること)構造を欠いていたとの報告がなされたという。
特に問題とされたのが、選手委員会、理事会の決定を具体的に運営する機関、女性委員会がないこと。このような競技団体の倫理違反に対する処罰はないものの、「(違反が発生している)データは存在していると」と話した。
IOCのセルミャン・ウン副会長(シンガポール)は2月12日の理事会の決議のあと、「今に始まったわけではない。国際競技連盟(IF)の問題だ」とコメント。ロンドン五輪の状況を精査し、各IFを調査した際に「FILAは多くの項目でIOCの質問に答えられなかった」と説明していた。