2013.02.25

五輪からの除外阻止へ「とにかく行動することが大事」…イランから帰国の田南部力監督(警視庁)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 男子フリースタイルのワールドカップ出場チームは2月24日、成田空港着のトルコ航空で帰国した。

 今大会は、団体世界一を決める大会ということ以上に、2020年五輪からの除外勧告を受け、その打開策としてイランと米国が手を組んだということで世界的なニュースとなった大会となった。

 大会前日に行われた決起集会に日本代表として出席した田南部力監督(警視庁)は「レスリングではアメリカとイランは仲がよく、ロシア、アゼルバイジャン、アルメニアとかのほうが関係がよくないという印象なので、特別な感じはしませんでした。開会式では選手、コーチのみんなが集まってマットの上でアピールし、スタンドも呼応してくれて、重要かつ貴重な大会だったんじゃないかなと思います」と振り返った。

 「そういう盛り上がりを伝えることも(除外勧告への対応として)意味があると思います。イランのファンは熱狂的で、オリンピック以上じゃないかなと思います」と言う。

 国際オリンピック委員会(IOC)理事会の勧告は、多くの国にとって寝耳に水という感じだったようだ。「アメリカのコーチと話しましたが、『まさか』という話でした」と言う。

 決起集会などで感じたことは、「オリンピックからなくしたくない」というすごい危機感。集会での各国のスピーチからは、「時間がない」ということが伝わってきたそうで、「みんな必死でやろうとしています。急がないといけないと思いますし、アピールの仕方とか、世界に発信する方法も様々あると思うんですけど、とにかく行動することが大事だなと思います」と振り返った。