2013.02.19

「全加盟国が団結してIOCにアピール」…FILA理事会出席の福田富昭会長が帰国

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 タイ・プーケットで行われていた国際レスリング連盟(FILA)の理事会に出席していた日本協会の福田富昭会長は2月18日、羽田空港着のシンガポール航空で帰国した。

 午後11時すぎの到着便であるにもかかわらず、空港には全テレビ局を含めて約30人の報道陣が待機し、関心の高さをうかがわせた(右写真)。福田会長がゲートを出てくるちょっと前には韓流スターの来日があって騒然としており、「今度はだれが来るんですか?」と報道陣に逆取材する一般客もいたほど。

 福田会長は2日半にわたる理事会の内容を報道陣に報告<2月16日理事会記事> <2月17日理事会記事>。「全加盟国が団結して国際オリンピック委員会(IOC)にアピールしよう、という話になった。総力戦だ」と話し、政治的に敵対している米国とイラン、2020年五輪の招致でライバル関係になっている日本とトルコなども含め、「すべて協力してレスリングを守るということで理事の意見が一致した」と話した。

 レスリングの強い国は大統領や首相など国のトップと通じている国が大半で、政府高官に対してIOCに働きかける姿勢もあるという。ロシアは来年のソチ冬季五輪を控え、IOC委員との接触も多いと聞いており、そうした機会を使って積極的に働きかけるという話も聞いているという。

 日本協会では、早ければ今週中に臨時理事会を開き、今回のFILA理事会の報告と対策を立て、多くの人にバックアップしてもらう体制を整えたいという。現在、および過去の五輪金メダリストにも協力を頼み、IOCへのメッセージを依頼したいという。

 FILAが組織改革として新設する予定の女性委員会に吉田沙保里(ALSOK)の名前が挙がったことについては、「現役選手だから難しいと思う。過去の実績のある女子選手がふさわしいと思う」と話し、選手活動に専念させたい気持ちを示したが、5月のIOC理事会でのプレゼンテーションには、五輪3連覇を含めた世界13連覇の選手として出席してもらいたい気持ちを示した。