2013.02.19

五輪からの除外阻止の動き続く…レスリング発祥の地・ギリシャ

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 レスリング発祥の地と言われるギリシャでは、国際オリンピック委員会(IOC)理事会のレスリングの五輪競技からの除外勧告に対し、これを阻止しようとする動きが続いている。

 日本関連のニュースを扱うサイト「Greecejapan.com」は、ヤニス・イオアニディス体育担当副大臣がIOCのジャック・ロゲ会長に対し、五輪競技におけるレスリングの存続を求める書簡を送ったことを明らかにした。

http://www.greecejapan.com/jp/?p=5129

 書簡では「歴史と伝統をテレビ視聴率や商業主義といったものの犠牲にすることはできない。レスリングが世界的に広く認知された競技であるという事実は、国際レスリング連盟には現在180か国あまりにも及ぶ国々が参加しているということで証明されるだろう。全てのギリシャ人の心情のみならず、スポーツの歴史に対するわが国民の敬意の念をここに表しつつ、オリンピック種目におけるレスリング競技の存続を心より願うものである」との内容で、競技の存続を強く訴えた。

 ギリシャ・レスリング連盟(EOFP)も国際オリンピック委員会に対し書簡を送付。1896年の第1回近代五輪(ギリシャ)において、IOCの定めた「オリンピック賛歌」に、レスリングに関する表現があることを指摘し、「オリンピック精神ならびにオリンピック哲学の神聖さを明らかに冒とくするものである」と抗議している。

 第1回近代五輪で初めて演奏された「オリンピック賛歌」では、五輪でもっとも重要な競技種目として「スト・ドロモ、ケ・スト・パレマ、ケ・スト・リサリ…(ランニング・レスリング・スローイング)」の3つの競技の名がギリシャ語で確かに記されているという。