2013.01.18

米満達弘(自衛隊)が2月にイラン遠征へ…ワールドカップを視察

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 男子フリースタイル66kg級のロンドン五輪金メダリスト、米満達弘(自衛隊=右写真)が2月21~22日にイラン・テヘランで行われるワールドカップに同行。今年の世界選手権(9月・ハンガリー)の金メダル獲得へ向けて、世代交代が予想される世界の情勢を視察することになった。同大会には全日本チャンピオンが派遣される予定。

 米満は昨夏、日本男子として24年ぶりに金メダルを獲得したあと、金メダリストの宿命とも言うべき祝勝会やイベント出席に追われた。左肩や背中の負傷を治療したい意向もあり、12月の全日本選手権は棄権した。

 しかし、本人に「休養」という意識はなかった。「オリンピック直後からも練習はやりたかった。イベント出席などが多くて練習量をこなせなかっただけであり、時間があれば練習はしていました」とのこと。したがって、「復帰したという感覚はない。『いつから練習を再開した?』と聞かれても、答えられない」そうだ。

 ワールドカップは団体戦であり、2選手が交代で出場することも認められているが、やはり試合出場までは考えていない。「体力は落ちていますね。まず体力を戻すことが大事です」と話し、五輪後最初の試合出場は世界選手権の代表選考となる6月の明治杯全日本選抜選手権になる予定だ。

 今年の目標は、「世界選手権優勝」もさることながら、「技をしっかり覚えること」と言う。「自分のレスリングは技が少なく、体力にものを言わせ、ごまかして勝ってきたようなもの。26歳だからできた。30歳(2016年リオデジャネイロ五輪がある時の年齢)になって、このレスリングができるとは思えない」と話し、この先も世界一を続けるためには技術のマスターが欠かせないと強調する。

 技術マスターに必要なことは「反復練習」。さらに「得意技ばかりを練習しても意味がない。やったことのない技にも挑み、自分のものにしなければならない」と続けた。「多くの技術をしっかり身につければ、この先、オリンピック3連覇もできる、という理論ですよね」と聞くと、「そうですね」と、にっこり笑った。

 1983年以来途絶えている日本男子の世界選手権優勝へ向け、五輪金メダリストが本格的に動き始める-。