※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
11月27日に東京・駒沢体育館で行われたユニバーシアード日本代表選考プレーオフのグレコローマン84kg級で、バック投げを仕掛けた選手に得点が入らず、受けた選手に2点が入ったケースがありました。(右下写真)
仕掛けた選手の両肩がマットについてしまったための判定です。「受けた選手は何の技も仕掛けていない。0-0ではないか」との声がありましたが、仕掛けた選手の両肩が瞬間的にでもマットについてしまった場合は、2失点となることがルールで定められています。
第37条f=自らの動きによりブリッジ体勢での技術展開において瞬間フォールになった場合、相手のレスラーは2点を獲得することができる。 第41条<2ポイント>=攻撃側のレスラーの技術展開中に、ローリングなどで自らが瞬間フォールに成った場合の防御レスラーに(与えられる) |
受けた選手の肩もマットへ向いていたら両者2点となりますが、今回の場合は、受けた選手の肩はマットに向いていません。したがって、仕掛けた選手が0点、受けた選手が2点となります。
同様なことはローリングでも起こりうるケースで、ブリッジをしっかりしないローリングの場合は、「両者2点」「技を仕掛けた選手が1点、受けた選手が2点」となる場合もあります。
国際レスリング連盟(FILA)でも、ルール変更ではなく、「ルールの徹底」として、攻撃側が両肩をマットつけた場合は、相手の選手に2点が入ることを定期的に通達しています。(2007年12月14日記事)
(監修=日本協会審判委員長・斎藤修)