※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
日本サンボ連盟は11月21日、都内で日本レスリング協会の高田裕司専務理事らの同席のもとで記者会見を行い、来年2月2日に埼玉県上尾市・埼玉県立武道館で「プーチン大統領杯サンボ選手権」を、ユニバーシアード(7月、ロシア)の日本代表選考会を兼ねて実施することを発表した(右写真)。レスリング界からは、東日本学生界から参加が予想される。
サンボ連盟の近藤正明会長は「ユニバーシアードでサンボが実施されるにあたり、レスリング協会と全日本学生柔道連盟とが協力してくれることになった。すでに5月と先週、30人ほどの選手が集まって講習会を実施し、12月と1月にも予定。代表が決まったあとの3月にはロシアへ遠征し、5月にはロシアから選手とコーチを招いて強化したい」と、ユニバーシアードでの勝利を目指して全力を尽くすことを宣言。
高田専務理事は「昔は、レスリングの世界選手権の最後にサンボをやっていた。今回、ユニバーシアードの種目に入ったことで、レスリング界からも選手を出したいと思い、東日本学生連盟に協力をお願いした。練習を積ませて2月の予選会に臨ませたい」と話した。
同席した東日本学生連盟の藤沢信雄会長(大東大職)は「私はブルガリアで行われたユニバーシアード(1977年)で優勝したことがあり、楽しい思い出です。今の学生にも、あの気持ちを味あわせたい。同期の江藤正基さん(1983年世界選手権グレコローマン57kg級優勝)がサンボの世界選手権でも優勝している。サンボの技術は、柔道にもレスリングにも有効のものが多い」と話し、レスリングの実力アップのためにもサンボへの参加を呼び掛けた。
全日本学生柔道連盟の佐藤宣践会長は「異種格闘というのは心が鍛えられる。柔道だけ、レスリングだけ、では心の成長がない」と、未知の世界に挑むことが強化につながることを訴えた。
■柔道・山下泰裕氏の信頼で「プーチン大統領杯」の冠大会へ
プーチン大統領が柔道の経験者であることは有名だが、サンボの選手でもあった。ユニバーシアードでサンボが実施されるにあたり、2010年3月に今大会の浅井伸幸・大会実行委員長とともにロシアへ渡った全日本柔道連盟の山下泰裕理事が、面識のあるプーチン大統領から「日本から強いサンボのチームを派遣してほしい」とのメッセージをもらった。
同理事が全日本学生柔道連盟と日本レスリング協会に協力を求めたところ、柔道の佐藤会長、レスリングの福田富昭会長とも「日本ではサンボは知名度が低いので、選手が集まらない」と危ぐし、示し合わせたように「プーチン大統領杯とでも名付けてインパクトをつくらないとダメだ」とアドバイスされたという。
浅井委員長が山下理事の書簡を持って再度ロシアへ渡り、交渉した結果、快諾してくれ、「プーチン大統領杯」の冠がつくことになったという。同委員長は「日本の学生の大会に、大統領の冠がつくなんて、常識では考えられません。山下氏の信頼度に感謝したい」と話した。
選考会は男女9階級が実施される。